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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第31回

冬ボーナス時期到来! お勧めのDAS? それはDrobo 5C

2017年11月30日 11時00分更新

文● 飯岡真志、編集 ●金子/ASCII.jp

提供: プリンストン

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複数HDDのストレージなら必ず安全?

 そういう前提で通販サイトやショップでUSB HDDを探すと、ちょっと大きめの筐体に複数のHDDを搭載する「Direct Attached Storage(DAS)」と呼ばれる製品が目に入る。

 複数のHDDを搭載しているからといって、WindowsやmacOSからも複数のドライブが見えるのでは、あまり便利ではない。この手のストレージ機器は、OSからは1台の大きなドライブ(アレイ)として見えるような仕組みを備えているのが一般的だ。このような仕組みの代表的なものが、RAID(Redundant Arrays of Independent Disks、レイド)と呼ばれるものだ。

ディスクアレイで使われるRAIDの仕組み。一般的に使われる、RAID 0、RAID 1、RAID 5を解説

 RAIDにはいくつかの「レベル」が存在し、さらにストレージベンダーが独自に定めた「レベル」もあるが、多く用いられているのはRAID 1、5、6あたりだろう。RAID 1は別名「ミラーリング」とも呼ばれ、複数のHDDに同じ内容を記録する仕組みだ。HDDを2台搭載しているストレージでは、このRAID 1が使われる。RAID 5はデータを一定のサイズ(ブロック)に分割して複数のHDDに分散して記録するとともに、「パリティ」と呼ばれるデータの誤りを訂正できるデータを生成して記録するものだ。

 難しい感じがするが、RAID 5はアレイを構成するHDDのうち1台が故障しても、他のデータとアレイから失われたデータを復活させることができる。さらにRAID 6になると、アレイを構成するHDDが同時に2台故障しても、データの復活が可能となる。RAIDアレイは、HDDが故障しても記録されているデータを保護してくれる仕組みというわけだ(データを保護しないRAID 0というのもあるけど、今日のところは省略)。

RAIDの問題点

 じゃあ「HDDを複数搭載できるRAIDのストレージ機器を購入するか!」 と話を進めたいところだが、実はそう簡単にはいかない。RAIDは長く使われている技術ではあるが、歴史があるゆえに現状のハードウェア/ソフトウェアにあまりそぐわない「欠点」がいくつかあるのだ。実用上特に問題になるのは、以下の2つの点だ。

・同容量のHDDを使う必要がある
・後から容量の変更ができない

 RAIDアレイを構成する際には、同じ容量のHDDを用意する必要がある。異なる容量のHDDを用いることは可能だが、その場合は最小容量のHDDに合わせることになり、無駄が生じる。2TB、2TB、3TB、3TBの4台のHDDを使っても、2TB HDD 4台と同じことになるわけだ。

 さらに一旦組まれたRAIDアレイは、後からHDDを追加したり、容量の大きなHDDに交換したりといったことができない。そのため、最初から大容量のHDD(容量あたりの価格が高め)を用いてアレイを構成するので、初期費用が必要以上にかさむことになる。

そこでお勧めできるのがDrobo

 では一体なにを選べば良いのか? というところでやっと登場するのが、Drobo(ドロボ)である。Droboは、米Drobo社が開発・販売しているストレージ機器で、日本国内ではプリンストンが代理店となっている。

 HDDを複数搭載できるストレージでは、RAIDと呼ばれる技術が用いられていることが多いというのは前述したが、それに対してDroboはBeyond RAIDと呼ばれる独自の技術を採用している。辞書をひけば“beyond”は「~を超えて」という意味を持つが、Beyond RAIDは文字通り、長年に渡り使われてきたRAIDを超えるストレージ技術だ。

 Beyond RAIDを採用したDroboは、前述したRAIDの欠点を解消している。搭載するHDDの容量はそれぞれ異なっていても、問題なく利用できる。また後からHDDを追加したり、より大きな容量のHDDに交換したりすることもできる。ということは、Droboを使い始める際には、比較的小容量(容量あたりの価格が低め)のHDDを搭載しておき、必要に応じて容量を増やしていくというスモールスタートが可能というわけだ。

 これらに加えて、Droboはストレージに関する専門的な知識を持たないユーザーでも使え、それでいてデータ保護はRAID 1/5/6と同等レベルという特徴も挙げられる。HDDを挿せば自動でRAIDを構築してくれるため、何ページもあるようなマニュアルを読む必要もなく誰でも簡単に使える点が、Droboの最大の特徴と言って良いかもしれない。


 

(次ページ、「DAS型Droboのバリエーション」に続く)

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