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おかげで新世代のaiboが生まれてきた:

「AIBO直しつづけてよかった」修理業者A FUNの喜び

2017年11月15日 07時00分更新

文● 盛田 諒(RyoMorita)

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■利益がすべてじゃない世界もある

── 発表会では先代AIBOのサポートはひきつづき終了という話もありました。

 そんなものはたいした話ではないんですよ。それよりふたたびaiboがスタートしたことのほうが大事でしょう。市場として終わっていたものが、ここまで動けるようになったことのほうが。メーカーにできるサポートは限界があるわけで、今後は市場が衰退したとき我々のようなところにサポートを委託することも考えられるわけですしね。世界規模でオーソライズド(認定サポート業者)をつくるという考え方もできると思います。

── もし新aiboのサポートをお願いできないかと言われたら。

 やることは全然やぶさかではないですよ。うちはお客さんの要望があればなんでもやる会社ですからね。

── A FUNはソニーのAIBO公式サポート終了からずっとサポートを続けていますね。

 最初は10台のうち1台直せればいいというところから始めましたが、もう1000台以上を直してきましたね。今では「AIBO(愛慕ドック)」といって、年に1回の健康診断をするようなシステムもつくっています。

── たしかに定期メンテナンスがあるとオーナーとしても安心できそうです。

 お客さんがどんなサービスを希望していて、自分たちに何が提供できるかを考えた結果です。お客さんと真正面に向き合うというのはそういうことだと思います。最近では修理したAIBOを引き取ってもらう「里親」制度もつくりました。「自分のところで動かしてみたい」という人には提供しますが、引き取ってすぐオークションに出してしまうような人には渡さないようにしています。

── オーナーだけでなく製品であるAIBOそのもののことも考えられているんですね。もはや企業利益を超えたものを感じます。

 いままでの常識で考えたら利益を確保しなきゃいけないのかもしれないけど、あの世に利益はもっていけないですからね。わたしもあと20年で死ぬ身ですよ。一度心筋梗塞で死にかけたことがありましてね。そこでもう会社のために人生を費やすのはやめたんです。いま孫が2人いるのですが、こういうじいさんがいたんだと知ってもらいたい。ようわからんじいさんがいたんだと、それを知ってもらえただけで、わたしは十分ハッピーです。

── 今後ア・ファンはどんな活動をしたいと思っていますか。

 AIを使って、医療施設、介護施設、高齢者施設に安らぎや幸せを与えるような活動をしていきたいと思ってます。「ア・ファンロボティクス」というんですけど。ファンは幸せ、夢です。いろんな会社の人が夢に参画して、「こんなものがいいよね」というマーケットを作っていく、そういう活動をしたいと。AI業者さんのたまり場をつくって、みなさんの得意分野を生かしたような市場づくりをしていけたらと思っていますね。

── その中に先代AIBOと新しいaiboも入っていくのでしょうか。

 アイボを起爆剤として、ソニーの根底に流れている、モノづくりにかける血湧き肉踊るような感情をふたたびマーケットに出すことができればいいのかなと。それさえできたなら、われわれは力惜しみなく協力していきたいと思ってます。


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