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おかげで新世代のaiboが生まれてきた:

「AIBO直しつづけてよかった」修理業者A FUNの喜び

2017年11月15日 07時00分更新

文● 盛田 諒(RyoMorita)

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 ソニーが11月1日に犬型ロボット「aibo」を発表、来年1月11日に発売する。

 本体価格19万8000円、利用料金aiboベーシックプラン9万円、aiboケアサポート5万4000円(3年間)、おもちゃ「アイボーン」3000円、総額34万4980円。かなり高価な製品にもかかわらず、1日に受付開始した予約注文分は即日完売した。

 先代ペットロボット「AIBO」は1999年に初代モデルを発売。2005年に最終モデルを発売し、2006年に生産終了、2014年にサポートを終了した。その後AIBOのサポートを続けてきたのは、元ソニー社員が設立したA FUN(ア・ファン)だ。

 ア・ファン乗松伸幸代表は、新しいaiboが登場したことをまるで我がことのように喜んでいた。「そりゃ嬉しいですよ。我々がお客さまの要望にこたえてAIBOの修理をしてきた中で、ニーズがあると判断されたわけですからね」


■メーカーの壁を超えて「日本のAI」広めて

── 新しいaiboについてはどう感じましたか。

 今度のロボットはスピードが速かったので、どういう形でオーナーと接していけるのかが気になりましたね。セブン(5代目AIBO「ERS-7」)よりリアルに犬に近づいているように見えたので、高年齢の方の癒しにはいいのかなと思います。

── aiboを普及させるには何が必要だと感じますか。

 どうマーケットをつくっていくかが大事ですよね。たとえばうちではロボットを使ったセラピー事業をやっています。ロボットを介護施設で使ったりして、高年齢の方が癒しや安心を感じてもらえるような。クラウドにつながるというのは、たんなる技術的な話であって。お客さんの感情というか琴線にふれるようなサービスができるかどうかが大事ですよね。たとえばクラウドがあることで独居老人の見守りができるとか、そうした新しいサービスができるといいんじゃないかと思います。

── 逆に、課題はどこにあると感じますか。

 これだけのものを作ってるんだから、これを1つのAI技術としてもっと共有しようという方向がほしいです。いろんなもの(ロボット)をミックスして、お客さんのニーズに合わせていく。うちは「PARLO」(富士ソフト開発のロボット)を扱っているんですが、メーカーごとに「PARLOがいい」とか「aiboがいい」というのではなく、たとえばPARLOが司会をして、aiboが踊るとか、そういう形で日本のAI全体を伸ばしてほしい。本当にリーダーシップをとるというのはそういうことだと思うんです。

── 世界市場をねらうには国内AI事業者同士の連携が必要であると。

 いろんな国のメディアからのインタビューを受けますけど、みなさんが注目するのは一般消費者の中に溶け込んでるAIが世界的に少ないことなんですよ。しかし日本では違っています。そこがアドバンテージですよね。でも、その強みを確立するためには、メーカーが協力しないといけない。もうちょっと中長期的な戦略をもっていないと、いい結果にはならないんじゃないかと思うんです。バーンとはじけるような市場は構築できないだろうと。

(次のページ:利益がすべてじゃない世界もある)

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