ホイール操作が可能なエントリー機「X3 Mark III」
X3 Mark IIIは、エントリー向けだが、デュアルDAC、バランス駆動にも対応する製品。DACチップはPCM5242×2。D/A部、LPF、アンプ部を別個に用意することで、1チップのソリューションよりも高音質とする。PCM192kHz/32bitに加え、DSD再生にも対応。最大256GBのmicroSDカードを使用可能で、USB DAC機能も持つ。Bluetooth 4.1(デュアルモード)対応。
UIはスクロールホイールを継続して採用。タッチパネルではなく、物理的にメニュー操作したいというニーズにこたえる。フロントパネルには強化ガラスを使用。赤と黒のカラバリが選べる。本体にはレザーケースと樹脂ケースが付属する。価格は未定だが、数万円の低価格レンジを狙っているようだ。
AKM製デュアルDAC搭載で薄型の「Q1 Mark II」
Q1 Mark IIはUSB DAC内蔵のポータブルアンプで、DACチップにAKM4452×2を独立構成で利用している。アンプ部はAM3Aとほぼ同等とのこと。
PCM384kHz/32bit、DSD11.2MHzなどに対応する。DSD入力時にはLEDが光り、どの信号が入力されているかが分かりやすい。XMOSを利用した入力自動検知も便利な機能だ。また電子ボリュームの採用によって、ギャングエラーの問題を解決した。新日本無線の素子を使用する。LINE入出力端子付きであるため、より駆動力の高い外部ヘッドフォンアンプとの接続も可能だ。
金属製ボディで、テーパー加工のノブを持つ。ゲイン切り替え、ディスクリート回路で構成したバスブースト機能も用意する。バッテリー駆動時間はUSB DAC使用時で約10時間、アンプ単体だと約20時間。Micro-USBショートケーブル、同データケーブル、パッドなど、付属品は豊富。本体も100g程度と軽い。価格はX3 Mark IIよりも安価になる。
ケーブル交換可能な高コスパハイブリッド型イヤフォン「F9」
F9は、1ダイナミック+2BA型のハイブリッド型イヤフォン。バランス駆動に対応する。デュアルクロスオーバー(電気的な分割+アコースティックの分割)、ナノコンポジット振動板を採用。形状は装着の快適さを追究するため、試作を繰り返したとのこと。ノズルは45度の角度を付けた。堅牢構造、CNC削り出し、メタルシェルが特徴。
発売目前のQ5も公開
以上は海外で発売済みの機種となる。ヘッドフォン祭の会場では、AK4490AM×2を搭載したUSB DAC再上位機種の「Q5」のエンジニアリングモデルも公開した。DACに旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」を2基搭載。DSDは11.2MHz、PCMは384kHz/32bitまで対応する。出力は2.5mm 4極バランス端子とシングルエンドのステレオミニを各1系統搭載。さらにBluetooth通信機能を備え、AptXもサポートする。内蔵バッテリーで10時間利用できる(DAC利用時)。
ほかにF9の上位で、Knowles製ドライバー(33518)を採用した「F9 PRO」、F9より新しい世代で価格的には抑えた「FH1」といった機種も開発中だそうだ。いずれも量産前の段階で、詳細は後日発表になる。
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