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IFA 2017レポート 第19回

18対9ディスプレーが主流になるのか

新型iPhoneもこの流れに!? これからのスマホはアシスタント機能と縦長ディスプレーだ

2017年09月05日 09時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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 IFA 2017開催前夜に行なわれたイベント「ShowStoppers」に、スマートフォンの新しい方向性を探る製品がいくつか展示されていました。

 音声操作対応や18対9のワイドディスプレーを搭載する製品が登場し、スマートフォン市場に新たな流行を生み出そうとしています。

アマゾンAlexaに対応する「Swift 2」

 イギリスのWileyfoxはアマゾンAlexaに対応し、音声で家電のコントロールなどが可能なスマートフォン「Swift 2」を展示していました。

 Swift 2は今年4月に発売になったAndroidスマートフォンで、9月から新たにAlexaへ対応。ただのスマートフォンから「音声操作の出来るスマートフォン」へと大きく進化したのです。

約3万円のミッドレンジ機、Swift 2

 おもなスペックはSnapdragon 430(1.4GHz、オクタコア)、メモリー2GB、ストレージ16GB、5型HD解像度(720x1280ドット)ディスプレー、背面1300万画素・正面800万画素カメラ。

 指紋認証センサーも備えAndroid Payにも対応。価格は189.99ユーロ(約2万9400円)と、バランスの取れたミッドレンジモデルと言えます。

背面のきつねを模したメーカーロゴが目をひきつける

 Alexaは専用アプリから利用できます。9月以降出荷のSwift 2にはプリインストールされ、それ以前の端末にはOTAで自動アップデートによりAlexaが追加されるとのこと。

 なお、Swift 2の販売先は現時点ではヨーロッパのみ。ブース担当者によるとグローバル展開も考えているものの、今回のAlexa対応により、Alexaの利用できる言語の国での販売をより強化したいとのことでした。将来は日本への参入もしたいと話していました。

Alexaのアプリ。このアプリがSwift 2をアマゾンEchoのような、Alexa機器に変身させる

 実際に会場でテストしてもらいました。Alxea対応のライトのオン/オフや、光の色を変更するといった操作を音声で行えます。Swift 2に「Alexa」と話しかけるとすぐにAlexaが起動し、「Turn on the light」と続けて話すとライトが点灯しました。

 会場はIFA会場の入り口ホールで騒音が大きかったものの、Swift 2のマイクは担当者の声をしっかり拾っていました。現時点では英語とドイツ語のみに対応ですが、十分実用性があると感じられました。Alexaの日本語対応後に、ぜひSwift 2を使って日本語の音声操作をしてみたいものです。

騒音の大きい会場でSwift 2に話しかける

Turn on the lightでライトが点灯した

ワイドディスプレー搭載のPower Max

 アメリカの電池メーカーであるEnergierは2017年秋からスマートフォンに参入を開始します。その最初のモデルが「Power Max P600S」。電池メーカーらしく電池回りの性能も強化されています。

 Power Maxの外観の大きな特徴はディスプレー。どことなく縦長に見えますが、アスペクト比は18対9、サイズは5.9型とのこと。この形状のディスプレーはLGディスプレーが製造していますが、LGのスマートフォン「G6」「V30」以外で同社のワイドディスプレーを採用した製品はこのPower Maxが最初かもしれません。本体サイズは152.5x82x9.8mm、やや幅があるものの片手でも問題なく操作できます。

18対9のディスプレーを搭載するPower Max

 背面にはデュアルカメラを搭載。1300万画素の標準と500万画素の望遠の組み合わせとなります。正面カメラは800万画素。CPUはMediaTek製Helio P25(2.5GHz、オクタコア)で、メモリーとストレージの組み合わせで3GB+32GB、6GB+64GBの2つのバリエーションが存在します。

 オンライン販売などを通じてグローバル展開されますが、現時点での対応通信方式はFDD-LTEがB2/4/7/17、3Gが900/2100MHzとのこと。展示品はまだエンジニアリングサンプルのため、背面の素材は仮のものだそうです。

デュアルカメラや大容量メモリー搭載モデルもあるなど、なかなか魅力的な製品

 電池メーカーである同社がスマートフォンに参入する理由。それはm現行のスマートフォンに多くの消費者が不満を持っているからとのこと。Statistaの調査によると、不満の1位は電池の持ち。男性の50%、女性の42%がいまのスマートフォンの電池が持たないと感じているそうです。

 そこでPower Maxはスタイリッシュなボディーにしながらも、4500mAhの大容量電池を内蔵。本体の厚みは9.8mmとなりますが、2日間充電不要で連続使用できるとのことです。

4500mAhの電池を内蔵、厚みは9.8mmだがそれほどの厚みは感じられない

 価格は3GB+32GBモデルが449ユーロ(約5万8800円)、6GB+64GBモデルは未定。本体カラーはそれぞれグレイカーボン、ブルーカーボンと別の色合いになります。

 新規参入メーカーの製品にしてはしっかりした機能と高い実用性を兼ねており、なかなか好感が持てる端末と感じられました。

メモリーとカラバリで2つのモデル展開がされる。外部コネクターはType-C

4Gガラケースタイルや、タフな防水スマホも

 Energizerからはほかにも2種類のスマートフォンが登場します。「Hardcase H240S」はハードの名前が付くように、IP68の防水防塵に対応するタフなボディーの端末です。

 見た目はフィーチャーフォンですが、Androidベースの製品。2.4型QVGA解像度と、ディスプレーは小型。CPUはMediaTek製(型番非公開)でメモリー1GB、ストレージ8GBという基本構成です。

見た目はガラケーだが、中身はAndroidのHardcase H2404S

 通信方式はLTEにも対応。この手の「なんちゃってガラケー」は最近よく見かけますが、あえてタフ仕様の端末を出すのは前述したユーザー調査による消費者の不満の2位が「端末の強靭性」。

 つまり、いまのスマートフォンや携帯電話は、誤って落としてしまうと画面が割れたり本体に傷がついてしまうことが多く、より丈夫な端末を求める声が大きいとのことです。

 カンタン操作ができる簡易スマートフォンこそラフに使うユーザーが多いことから、この製品が企画されたというわけ。価格は119ユーロ(約1万5600円)の予定とのこと。

裏側もしっかりとした耐ショック構造

本体サイズは13256x18.5mm、落としても安心だ

 Hardcaseにはスマートフォンもラインナップされます。「Hardcase H550S」はこちらもIP68の防水防塵に対応。5.5型フルHD解像度(1080×1920ドット)ディスプレー、MT6750(1.5GHz、オクタコア)、メモリー3GB、ストレージ32GB、カメラは背面1300万画素、正面800万画素という構成です。対応周波数はFDD-LTE B1/3/7/8/20/28A+B、W-CDMAが900/2100MHz。

IP68の防水対応スマホ、Hardcase H550S

 本体背面はカーボン調のデザイン、カメラの上にはいった「Energizer」のロゴがさりげない存在感を出しています。カメラの下には指紋認証センサーを搭載。本体下部のUSB Type-Cと本体上部の3.5mmヘッドフォン端子はそれぞれゴムキャップで防水されますが、できればここはキャップレス構造にしてほしかったところ。

 価格はPower Mateと同じ449ユーロ。2つの特徴的なスマートフォンと、タフ仕様をアピールするフィーチャーフォン、Energizerの新製品は日本にもぜひ投入してほしいものです。

カーボン風のデザイン仕上げな背面

本体下部の端子はゴムキャップで保護される。上部のヘッドフォン端子も同様だ

「アシスタント」と「縦長ディスプレー」が今後のトレンド

 スマートフォンのAlexa対応はファーウェイやモトローラ、アルカテルなどが製品への投入を相次いで発表しています。また、HTCは「U11」でAlexaなど音声入力アシスタントの対応を大きな売りにしています。

 一方、縦長のワイド画面はサムスンとLGがフラグシップモデルに相次いで搭載、今後は中国メーカーやアップルも新型iPhoneへの採用とのウワサが流れています。

 音声対応とワイド画面の搭載がは今後ブームとなることは確実で、新興メーカーが早くもこれらを採用している動きには注目したいと思います。

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