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ASCII Power Review 第275回

SSDは7000MB/sを超える超爆速でした

16インチの2in1で「CoreUltra 7 255H」搭載なのに1.3kg台を実現=「LG gram Pro 2in1」実機レビュー

2025年03月12日 10時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 LGエレクトロニクスは、インテルの最新CPU「Core Ultra 7 255H」を搭載した16型コンバーチブルノートPC「LG gram Pro 2in1」(16T90SP-GA78J)を発売した。直販価格は34万9800円だ。

 LG gramと言えば軽さに定評のあるシリーズ。16型という大画面で、360度ディスプレーを回転可能なコンバーチブル機構を採用しつつ、1399g、12.9mmという軽量薄型ボディーを実現している。

 LGから試用機を借りることができたので、詳細スペック、コンバーチブルノートPCならではの使い勝手、Hプロセッサーのパフォーマンスなどをレビューしていこう。

LGエレクトロニクス「LG gram Pro 2in1 16T90SP-GA78J」34万9800円

仕様はCore Ultra 7 255H/メモリー16GB/ストレージ1TBという1モデルのみ

16インチの2in1にスタイラスペン付きで
30万円+はお買い得
 

 「LG gram Pro 2in1」はOSに「Windows 11 Home」、プロセッサーは「インテル CoreUltra 7 255H」(16コア[6P+8E+2LPE]、16スレッド、最大5.1GHz、20~115W)を採用。メモリーは16GB(LPDDR5X-7467)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。

 ディスプレーは16型WQXGA液晶で2560×1600ドット、16:10、輝度400ニト、色域DCI-P3 99%、コントラスト比1500:1、リフレッシュレート31~144Hz、タッチ対応、ペン対応、アンチグレアを採用。

 サウンド機能はDolby Atmos対応の3W+3Wステレオスピーカー(最大5Wスマートアンプ)を装備。ディスプレー上部には、Windows Hello対応の1080pウェブカメラ、アレイマイクを内蔵している。

 インターフェースは、Thunderbolt 4(最大40Gbps、映像出力、USB Power Delivery対応)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A(最大10Gbps)×2、HDMI、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。

 本体サイズは357.3×253.8×12.9mm、重量は1399g。77Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で12時間、アイドル時で21時間、フル充電は最大3時間と謳われている。

 本製品の直販価格は34万9800円だが、家電量販店の多くで3万4980円のポイントが付与される。また2in1コンバーチブルノートPCということで、筆圧検知4096段階、傾き検知対応のスタイラスペン「LG Stylus Pen」が同梱。ポイントの付与と、標準でスタイラスペンが同梱されていることを考えれば、家電量販店での実売価格には割安感がある。

ボディーは軍用調達規格「MIL-STD-810H」準拠のテスト7項目をクリア。本体サイズは357.3×253.8×12.9mm。カラーは「オブシディアンブラック」と名付けられている

本体底面にはDolby Atmos対応の3W+3Wステレオスピーカーを内蔵

ディスプレーは16型WQXGA液晶で2560×1600ドット、タッチ&ペン対応、アンチグレアを搭載

リフレッシュレートは最大144HzとゲーミングノートPCクラス。動的に31Hzまで低下させることで、省電力性も備えている

キーボードはテンキー付きの97キー英語配列。日本語入力のオンオフは「Alt」+「'」の同時押しで行なう

本体前面と背面

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A(最大10Gbps)×2、3.5mmコンボジャック、左側面にはHDMI、Thunderbolt 4(最大40Gbps、映像出力、USB Power Delivery対応)×2を用意

パッケージには本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、スタイラスペン「LG Stylus Pen」、説明書類が同梱

USB Type-Cケーブルのコード長は実測180cm。ACアダプターの型番は「LP65WFC20P-NJ」。仕様は入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3.25A、5~20V 3.25A、容量65W

本体の実測重量は1326gと、ほぼ1.3kgに近い値だった。

ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測136.3g

「Copilot+PC」ではないが
AIアプリは利用可能
 

 本製品が搭載している「Core Ultra 7 255H」はAI対応プロセッサーだが、NPUの処理能力は17TOPSと、「Copilot+PC」の条件である40TOPSを満たしていない。というわけで昨今のWindows PCの標準装備となっている「Copilotキー」は装備されているが、「リコール」をはじめとする「Copilot+ PC」向けのAI機能が搭載されていない点には注意してほしい。

 とは言えネットワークサーバー上の生成AIサービスは当然使用できるし、画像生成ツール「Image Creator」、ウェブカメラにエフェクトを加える「スタジオ効果」、今回は正常に動作しなかったが全アプリの音声を文字起こしする「ライブキャプション」などは利用可能だ。また今後リリースされるサードパーティー製AI対応アプリで、ある程度NPUの恩恵を受けられるはずだ。

Copilotキーを搭載

AIアシスタント「Copilot」は自然言語でさまざまな指示が可能。「LG gramを使っている猫の画像を作成して」という指示では、ノートPCの天面に「LG」の文字が描かれた。「gram」でなかったのは惜しかった

「Image Creator」では指示に従って画像が生成される。ただし「コクリエイター」のように、ラフ画で構図や構成を指定できない

「Copilot+ PC」版より簡略化されているが、「スタジオ効果」を利用できる

 2in1コンバーチブルノートPCとしての完成度は文句なし。16インチの大型ディスプレーを搭載しつつ、通常のクラムシェル型ノートPCとほとんど変わらない1399g、12.9mmという軽量薄型ボディーを実現している。

 それでいて、ノートPC、スタンド、テント、タブレット、そしてスタイラスペンを使ったペンタブレットとしても活用できる。ヒンジの動きはスムーズかつ、剛性の高さが感じられる。

 MPP(Microsoft Pen Protocol)に対応したスタイラスペン「LG Stylus Pen」は4096段階の筆圧検知、傾き検知に対応しており、適度な摩擦感で書き味もいい。

 右側面に磁力で装着でき、自動的に充電されるので使い勝手もいい。16インチの大画面ではのびのびと緻密なイラストを描けるはずだ。

360度回転のヒンジ機構により、ノートPC、スタンド、テント、タブレットスタイルで利用できる

スタイラスペン「LG Stylus Pen」は4096段階の筆圧検知、傾き検知に対応。タッチ操作はマルチタッチをサポートしている

 キーボードはテンキー付きの97キー英語配列で、キーピッチは19.05×18.05mm、キーストロークは1.0±0.2mm。打鍵感は良好だ。タッチパッドのクリック感も、初代LG gramとは比べものにならないほどよくなった。

 ただ個人的にあまり好みではないのはテンキーが付いていること。日本語入力では確定時にEnterキーを多用するので、テンキーが隣接していると誤操作してしまうことがある。またテンキーがあることで、ホームポジションが左寄りになるのは違和感がある。

 Windowsを搭載した16インチクラスのノートPCはテンキーを搭載している機種が多い。しかし、個人的にはプラス1~2万円ぐらい支払ってもいいので、テンキーレス仕様を選択できるようにしてほしいと強く願っている。

キーピッチは19.05×18.05mm

キーストロークは1.0±0.2mm

キーボードバックライトは明るさを2段階に調節できる

タッチパッドは押すとクリック感があるダイビングボード型。サイズは127.5×78.6mm

Windowsキーを長押しすると、いつでも「キーショートカットガイド」を参照できる

 ウェブカメラはRGBカメラとIRカメラが独立しており、ハイブリッドタイプよりも明るく、自然な発色で撮影できる。ビデオ会議用途であれば実用上十分なウェブカメラだ。

ウェブカメラはRGBカメラとIRカメラが独立している

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影。左はHDRオフ、右は「HDR proオン」。「HDR proオン」では赤みが強くなる。ノイズも低減されるが、そのぶん全体的にのっぺりとした質感となる

CoreUltra 200Hの速度を計測
搭載するSSDは超爆速だ!!
 

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回は以下の機種の結果と比較した。
「CoreUltra 7 255H」搭載「Zenbook 14 OLED」
「Core Ultra 7 258V」搭載「ExpertBook P5」
「AMD Ryzen Al Max+ 395」搭載「ROG Flow Z13」
「Snapdragon X Elite X1E-78-100」搭載「Zenbook SORA」

「HWiNFO 64 Pro」で取得したシステムの概要

ベンチマークは電源モードを「最適なパフォーマンス」、冷却モードを「高」に設定して実施

 まずCPU性能は、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は16015pts、CPU(Single Core)は1884pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は835pts、CPU(Single Core)は114ptsとなった。

 16コア、32スレッド、45~120Wの「Ryzen Al Max+ 395」は別格として、R23のマルチコア性能で「Core Ultra 7 258V」搭載機の145%相当のスコアを記録しており、モバイルノートPCとして上位クラスのCPU性能を備えている。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は16015pts、CPU(Single Core)は1884pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は835pts、CPU(Single Core)は114pts

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