パワーモード設定でどう変化するか?
一通りゲームのベンチが終わったところで、Vegaの6段階のパワーモード(スイッチの位置で2段階、Wattman設定で各々3段階)がパフォーマンスと消費電力にどのような影響を及ぼすか調べてみた。性能の評価は「3DMark」のスコアーで行なう。消費電力の測定条件は前述の通りだ。
Vegaではパワーモードごとに最大パワーが微妙に変わると解説したが、この結果は前掲の表に近いものとなった。特にWattman側でパワーセーブモードにすれば、プライマリーモードでも消費電力はかなり抑えられる。もちろん性能は下がるが、Vega導入のネックが消費電力にあるならば、このモードを上手く利用して飼い慣らすことをオススメしたい。
ただ今後各メーカーから出てくるOCモデルでは、このモードによる損得計算がだいぶ変わってくる可能性もある。この結果はあくまでリファレンスデザインのカードでの結果と考えていただきたい。
このパワーモードの違いはGPUのクロック推移の違いとなって現れる。「HWiNFO64」を使い、Vega 64のクロックとGPU温度を追跡したのが次のグラフだ。アイドル状態からスタートし「Ghost Recon: Wildlands」を起動、そのまま30分プレー状態で放置している。室温は約28度、バラック組みに近い状態だがエアコンの風が当たらないようカバーをかけている。
まず温度については、バランスとターボモードならばGPU温度は86度あたりで上下する(開始時点でのGPU温度が統一されていないのは筆者のミスだ。この点はお詫びしたい)。
ところがバランスにすると76度まで一気に下がる。ピーク性能はさておき、リファレンスデザインのカードで使うならワットパフォーマンスや温度的にパワーセーブモードが扱いやすくてよいのではなかろうか。
クロック推移のグラフについても、温度と同様の傾向がみられる。パワーセーブモードでは1345MHz前後で安定するのに対し、ターボとバランスモードでは1465MHzあたりに多くの点が集まっている。バランスよりターボの方がより上のクロックを示す頻度が高くなるが、同時に下がる頻度も高くなる。
リファレンスデザインのクーラーでは冷却が間に合わず、クロックを維持できないことは明らかだ。このあたりは独自設計の強力なGPUクーラーを搭載したOCモデルだと、もう少し違った傾向が見えてくると思われる。

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