パワーは6段階に調整可能
Vega 56/64の典型消費電力はかなり大きい。GeForce系のTDPと直接比べられる数値ではないが、外部電源が標準で8ピン×2になっているだけあって、GeForce系よりも消費電力は確実に大きい。だがVegaにはユーザーによって最大パワーを6段階に調整することができるのだ。
Vegaのカード上部には小さなスライドスイッチが搭載されている。Radeonのモデルにもよるが、ミドルクラスのRadeonでは単なるバックアップBIOSへの切替用として機能しているものが多いが、Vegaではカードの最大パワー切替スイッチとして利用する。スイッチが映像出力端子側がデフォルトの“プライマリー”、外部電源コネクター側が“セカンダリー”となり、若干パワーが抑制される。
さらにWindows上の「Radeon設定」の中には、さらにこのスイッチのモードとは別に「パワーセーブ」「バランス」「ターボ」の3種類のモードを切り替えることができる。スイッチで2通り、設定で3通りなので都合6通りのパワーモードが選択できるのだ。
スイッチとWatttmanプロファイルの組み合わせでVegaのTDPは以下の表のように変化する。
| VegaのTDP | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| パワーセーブ | バランス | ターボ | ||||
| 165W | 220W | 253W | ||||
| 150W | 200W | 230W | ||||
| 198W | 264W | 303W | ||||
| 165W | 220W | 253W | ||||
| 150W | 165W | 190W | ||||
| 135W | 150W | 173W | ||||
ゲーム画面の見やすさを改善する
「Enhanced Sync」
ゲーム向けの新しいVsyncモードである「Enhanced Sync」も、Vegaの新要素のひとつだ。これはGeForce系がPascalで最初に実装した「FastSync」のRadeon版というべきもので、フレームレートが液晶のリフレッシュレートよりも(ある程度)低い場合は垂直同期をオフにして、画面が描画できたそばから表示(スタッタリング防止)、逆にリフレッシュレートが高い場合は最新の“レンダリング済み”画像だけを出すようにしてティアリングと出力遅延を抑えるというもの。
ただEnhanced SyncはVegaの設計に依存しているとはレビュアーズガイドの中でも言及されておらず、FastSyncのように後から旧世代GPU用に解放される可能性も十分考えられる。

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