このページの本文へ

プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第27回

2台のDroboでデータを自動でバックアップする「Drobo DR」紹介

Drobo 5N2でディザスタリカバリー

2017年07月31日 11時00分更新

文● 飯岡真志、編集 ●金子/ASCII.jp

提供: プリンストン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

DroboDRの設定完了!

 再び同期のソースに設定したほうのDrobo(Drobo5N2)に表示を切り替えて、右上の「今すぐDroboDRを起動」をクリックしてみると「DroboDRが進行中」と表示されて、コピーが自動で行われていく。

 これまでの連載では、(Droboの)IPアドレスについてはほとんど言及してこなかった。Droboを接続するネットワーク内にDHCPサーバーの機能を備えたデバイスがあれば、NAS型のDroboのIPアドレスを意識する必要もなく利用できたからだ。

 今回のDrobo DRの設定に際して初めて「同期のターゲットとなるDroboをIPアドレスで指定する」というかたちでIPアドレスが出てきた。だから、Drobo DRの設定はこれまでの他の機能よりもほんの少しだけ難易度が上がっているとも言えるが、それでも全体的に見れば、簡単で分かりやすい手順で設定できるうちに入ると思う。

 またDrobo DRの設定を解除すると、同期のターゲット側にしていたDroboは普通にMacやWindowsマシンからアクセスできるようになる。万が一、メインのDroboが故障したとしても、ダウンタイムは最小限で済む。

ターゲットのDroboは読み出し専用に

 2台のDrobo 5N2をネットワークに接続し、Drobo DRで同期するように設定したわけだが、この状態でもDrobo Dashboardからは両方のDroboが見えている。ではネットワーク上のWindowsマシンやMacから見るとどうなるか?

 同期のターゲットとしたほうのDrobo 5N2は、Macからはマウントできなくなる。またWindowsマシンからは読み込み専用でマウントされるため、ファイルの参照は可能だが、ファイルの追加、更新、削除はできなくなる。わざわざ同期ターゲットのDrobo上でファイルを操作する必要もないので、特に問題はない。誤ってターゲットのデータを変えてしまうなどの事故を防げるので、これは良い機能と思える。

Drobo DRの使い勝手は?

 テラバイトクラスのデータを保存している場合などは、ギガビットEthernetを介したデータ転送は、かなり時間がかかる。VPNを介したオフサイトバックアップの場合は、さらに時間がかかることになる。これはもうそういうものだと思ってほしい。

 Drobo Dashboard上にDrobo DRの動作結果の概略(サマリーログ)が表示されているが、より詳細なログが必要な場合は、右下の「ログの詳細の保存」をクリックしてプレーンテキストとして保存できる。先ほど、「同期ターゲットのDroboのデータはすべて消される」と書いたのは、ログに記録が残っているからだ。当該部分を抜粋してみると、こんな感じだ。

:
2017/07/23 04:45:14 [25922] building file list
2017/07/23 04:45:15 [25922] .d..t...... ./
2017/07/23 04:45:15 [25922] *deleting   Public/sub/
2017/07/23 04:45:15 [25922] *deleting   Public/Ubuntu1704/ubuntu-17.04-desktop-amd64.iso
2017/07/23 04:45:15 [25922] *deleting   Public/Ubuntu1704/ubuntu-17.04-desktop-i386.iso
2017/07/23 04:45:15 [25922] *deleting   Public/Ubuntu1704/ubuntu-17.04-server-amd64.iso
2017/07/23 04:45:15 [25922] *deleting   Public/Ubuntu1704/ubuntu-17.04-server-i386.iso
:

同期のログを見ると、最初にターゲット側に記録してあるファイルをごっそり消している

 さらに他の部分を見てみると、以下のように転送速度も見つかった。

2017/07/23 05:47:56 [6415] sent 54.16G bytes  received 4.48K bytes  48.93M bytes/sec

 今回のテストでは、同期の際に記録されていたデータは、LinuxディストリビューションのISOイメージファイルなどで、1~3GB程度のファイルを用いている。Drobo 5N2のインターフェイスはギガビットEthernetなので、100MB/sec程度は出ることを期待していたのだが、ほぼほぼ予想の半分程度だった。VPNを介したオフサイトバックアップならともかく、同じネットワークに接続しているのであれば、もう少し性能が出てほしいところか。もちろん、同期作業はバックグランドでの自動作業であり、ソース側でのファイル操作などには、そこまで影響はないだろう。

 そこで今度は、2台のDrobo 5N2を両方ともリンクアグリゲーションを使用する設定にしてみた。リンクアグリゲーションの設定の詳細については、前回の記事を参照してほしい。

 そして両方のDrobo 5N2を2本のケーブルでスイッチに接続して、再びDroboDRを動作させてみたのだが、ほぼ誤差範囲と言える40MB/sec台であった。前回の記事で測定した際には、Drobo 5N2のシーケンシャルの読み出し/書き込み速度は110MB/sec台の値を記録しているので、Drobo DRによる同期ではそれよりも遅くなっているというわけだ。

 筆者の環境で使用しているギガビットEthernetのスイッチは、8ポートで5000円札1枚程度の機種なので、十分な性能が得られていないのかもしれない。一応カタログスペック上はノンブロッキング(各ポートがスペックの上限まで通信しても転送できる)のはずなのだが……

 確証は得られていないのだが、Drobo DRによる同期の際には、ファイルの転送以外にも何らかの処理が行われているのではないかと想像している。


 

(次ページ、「保険としてのDrobo DR」に続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン