タンカースジャケットもフューリー仕様で
第二次世界大戦のころの米軍の服やブーツを立て続けに購入して、ワタシの中でプチWW2ブームが訪れているところですが、それも今回で一区切り。最後を飾るのは戦車兵用の防寒具、タンカースジャケットです。
第二次世界大戦モノで最初に買ったのは戦車兵用ヘルメットM1938 TANKER HELMETのレプリカ品。昔実物を、しかも3個も持っていたんですが、部屋を整理するときに手放してしまっていました。それが映画『フューリー』でブラッド・ピットが被っているのを見てまた欲しくなり、買い直そうと思ったら『フューリー』の影響で価格が高騰。欲しくなったのは自分だけではありませんでした。以前は100ドルぐらいから買えたのに、見つかった物は安くても500ドル、高いと1000ドル以上もします。
あのとき売らなければ100ドル×3個の300ドルが十倍になったかもしれず、この先見の明のなさっぷりに、久しぶりにバイクが欲しいと思って中古車の値段を見て驚いたときのことを思い出しました。若いころに乗っていたCBX400Fなら10万程度で買えるのかなと調べてみたら、なんと100万円を超えていたのです。ワタシが乗っていたのは一旦生産終了になったあと再生産されたモデルなんですが、400万円近い値段が付けられていることもあるほど。たくさん走っていたし、すっかり安くなっていると思ったのに……。
そんなわけでCBX400Fは買えるわけもなく諦めましたが、軍装品はレプリカがあるので助かります。お宝コレクション的な観点からするとレプリカに価値はないですが、ヘルメットはイベントで使うために買った実用品なので価値は二の次。むしろ実物だと汗で汚れてしまうかなとか傷が付いてしまうかなとか、余計な気を遣ってしまいそうです。
イベントで買ったウールパンツとウールシャツは実物ですが、数千円だったのでお値段的にレプリカとたいして違いません。生地もしっかりしているし気遣い無用です。
その後入手した騎兵用ブーツも実物です。ブーツはベルトの表面にひび割れがあるため履こうとするとボロボロと剥がれてしまいそうですが、そんなに高くはなかったし、いろいろ調べてみたらオリジナル状態ではなかったので、イベントで履く程度ならまぁいっかという感じです。
そして今回のタンカースジャケット。実物はヘルメットとほぼ同じ価格帯で、中には1000ドルを超えるものもあるなどすっかりビンテージな風格です。お値段的に購入は無理というのもありますが、ブラピ演じるウォーダディーと同じ仕様の物なんてまず手に入らないので、ここはレプリカをチョイスです。
ただ、レプリカといっても仕様やデキはまちまちで、価格も数千円の物もあれば3万円近い物もあったりと結構な開きが。どうしようかなと迷っていたところ、安い物をまとめ買いをするという話をいただいたので見せてもらうことにしました。
見てビックリ! パッチが付いている物とない物があるとのことだったのですが、パッチ付きを見せてもらったらなんとウォーダディーが着ていたのとまったく同じでした。劇中と同じ初期型でパッチも同じ。なんという偶然なのでしょう。速攻でオーダーしたのは言うまでもありません。
安かったけど細かいところまで再現されていました
タンカースジャケットは例によって通称で、正式名称はJacket, Combat, Winter。冬期の戦闘用ジャケットであり特に戦車兵用ではないのですが、戦車を中心とした機甲部隊に支給されたため、一般的にタンカースジャケットと呼ばれています。戦闘用ジャケットのM41フィールドジャケットは薄くて防寒性能が低かったそうで、このタンカースジャケットが一気にひろまったそうです。丈が短くて裾が伸縮性のあるリブになっているため、狭い中で裾が邪魔にならないのも戦車向きな理由のひとつです。襟と袖も裾と同じくリブになっていて、ペラペラなジャケットに比べると防寒性能は格段にアップしています。
色はカーキ。学生のころに友人が買ったのを見たときは、なんて地味でおじさんくさい色なんだと思ったりしたんですが、すっかりおじさんになった今、なんの違和感もありません。
ウォーダディーが初期型を着ていたのは古参兵であることを強調するための演出だったそうで、ほかのメンバーは後期型を着ていました。初期型と後期型で一番異なるのはポケットの形です。後期型は普通の服のようにスリットがあって中に袋が縫い付けられていますが、初期型は外から貼り付けた簡易なパッチポケットになっています。
安かった割には思った以上によくできていて、タグも再現されているし、ジッパーにはTALONの文字が入っています。もともとHOOKLESSというメーカーのブランド名だったのですが、1937年ごろにTALONに社名変更されました。TALONのジッパーは第二次世界大戦のころの米軍被服では最も多く使われていて、初期型タンカースジャケットのジッパーは縦にもTALONと書かれた物が使われています。安いレプリカなんでなにも書いてないジッパーだろうと思っていたから、ちゃんと書かれていたのでちょっと得した気分です。
レプリカというと裏地がキルティングだったりすることがありますが、それもかなりそれっぽく作られています。ウール30%、ポリエステル70%の混紡ですが、見た目や手触りはウールと変わりません。さらに表地はコットン100%と実物どおりです。
現代のタンカースジャケットは背中にベルクロがあり、緊急時はそこから中に手を突っ込んで乗員を引っ張り上げます。しかし第二次世界大戦のころのジャケットにはそんなものはなく、背面はいたってシンプル。狭いところで肩を動かしやすいようにプリーツが付いています。
左袖には第2機甲師団のパッチと2等軍曹の階級章パッチが、右袖には階級章パッチが縫い付けられています。ザクザクとした荒い縫い目になっていて、それも劇中と同じ。ミシンで綺麗に縫われているより味があっていい感じです。
これでフューリー衣装が全身揃いましたが、冬装備なので衣装ケース行き。涼しくなったらどこかのイベントで着ようと思います。中身がブラピとは似ても似つかないおじさんなのが残念というか申し訳ないですけれども~。
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