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パブリッククラウドへの過渡期ではないハイブリットIT環境を支える

ハイブリッドIT・マルチクラウドを見据えたNTT Comの戦略

2017年04月12日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Software-Definedなサービス群をマネジメントサービスで管理

 後者の「SDx+M」のソリューションは、同社が近年注力してきたSoftware-Definedなインフラとサービスに関する取り組みになる。

 先日発表されたSDx+Mは、WANのSD化を実現する「Software-Defined Network Service」、LANのSD化を実現する「Software-Defined LAN」、そしてクラウド接続のSD化を実現する「Software-Defined Exchange」に、クラウド管理、運用管理、セキュリティ管理などのマネジメントサービスを統合したソリューション。ハイブリッドなIT環境を最適化するNTTコミュニケーションズの切り札と言える。

柔軟なインフラを実現するSDx+M

 庄司氏は、グローバルに500拠点を展開するエンタープライズ企業でのPoCについて語る。同エンタープライズ企業では、基幹系システムと情報系システムで異なるネットワークを冗長化して引いて拠点とつないでいるため、回線数だけで2000回線。さらにネットワーク機器の保守のためにエンジニアが常駐しており、年間で10億円のコストがかかっていたという。

 今回のSDx+Mソリューションにより、基幹系と情報系で冗長化されていたMPLSネットワークを、MPLSとインターネットのハイブリッド回線に変更。LANのSD化まで見込み、同社のCloud Management Platrofmで統合管理する構成をとることで、回線数を75%、年間のコストも25%削減できると見込んでいる。

 その他のサービスも拡充する。たとえば、大容量化するDDoS攻撃に対しては複数のDDoS対策サービスのオーケストレーションを提供する「マルチDDoS対策サービス」や複数のCDNを統合管理する「Software-Defined Multi-CDN Service」などを計画しているという。動画配信に関しては、NTTぷららなどとともに4K-VOD、4K-IP放送、4K-IPライブなど日本初・世界初の商用化実績を積んできたこともアピールされた。

マルチDDoS対策サービスも計画中

マルチクラウドに向けた全方位展開に進む

 後半でメインに取り上げたのは、パートナーシップだ。NTT ComのEnterprise CloudやNexcenterに接続するクラウドサービスは、現在、AWS、Microsoft Azure、Office 365、BOX、Salesforceの5つで、今後はOracle Cloudへの接続も予定している。

NTT Comと接続する他社のクラウドサービス

 まず紹介されたのは、3月に発表されたマイクロソフトとの提携。これは同社のEnterprise CloudのオプションとしてMicrosoft Azureを提供するというもの。Azure Site RecoveryやAzure Backupでバックアップをとることが可能になるほか、将来的にはマネージドサービスやIoT・AI系サービスとの連携も検討しているとのことで、今後が期待される。

 さらに2月にはDell EMCとVirtustreamの国内展開で提携。VirtustreamはNTTコミュニケーションズのEnterprie Cloudの共有型SAPシステム向けクラウドとして提供され、基幹システムに向けた高い信頼性と安定した性能を実現するという。

 また、2016年に発表されたNTTデータ、インテル、Pivotalとの提携では、クラウドネイティブないわゆる「モード2」の推進を実現するソリューションを実現する。アジャイル開発やDevOps、IoT、ビッグデータ、AIなどの最新技術を企業に取り込むためのコンサルティングやトレーニングなども提供し、人材やソリューション不足を補うという。

APIサービス、IoT・AI分野は今後大きく拡充

 アプリケーションレイヤーに関しては、APIの活用を積極的に推進し、日・米・欧でAPIゲートウェイの提供を進める。APIゲートウェイにより、認証・権限管理、ログの一元管理、セキュリティ対策などの機能をまとめて提供。さらにパートナーのSaaSと柔軟に連携できる「API Gateway as a Service」の提供も、今後計画しているという。

 IoTやAIに関しては、パートナーや顧客とのコラボレーションにより、多面的なPoC展開を進める。発表会では化学プラントにおいて20分後の製品品質をディープラーニングで予測するPoCを進めている三井化学との協業ビデオが披露。化学プラントの自動運転や製造業のデジタルトランスフォーメーションを見据えた取り組みは年内に発表される。

IoTとAIを活用した未来予想サービスもPoCを実施中

 さらにNTTコミュニケーションズ自体もコンタクトセンターにおけるオペレーターのウェルネスマネジメントにAIを活用していく実験を進めており、顧客対応するオペレーターの心拍数にあわせてスーパーバイザーが対応や応対者の交代を指示できるようにしているという。最後、庄司社長自身が大いに注力するMcLaren Hondaとのテクノロジーパートナーシップをアピールし、戦略の説明を締めた。

 Global Cloud Visionを掲げ、グローバルでのM&Aやサービス展開に邁進してきたNTTコミュニケーションズだが、庄司体制に移行し、昨年のNTT Com Forumで感じた変化が少しずつ具体的なものになってきた。グローバルに展開するネットワークとデータセンターでインフラの最適化を推進しつつ、クラウドサービスに関してはあえて自社ブランドにこだわらず、ハイブリッドなIT利用とマルチクラウドを前提とした環境の最適化を戦略のコアに据える形だ。

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