動画ストリーミングサービスが大流行中
人気のドラマやアニメ、オリジナルコンテンツなどをPCやスマホで気軽に視聴できる『動画ストリーミングサービス』が、大きな盛り上がりを見せている。
低価格(あるいは無料)で充実したコンテンツを視聴できる、魅力的なサービスがここ数年で一気に増加したことが流行の大きな要因だろう。月額数百円程度で膨大な映画・ドラマ・アニメなどが見放題になる『dTV』や『Netflix』『Amazonプライムビデオ』といったオンデマンドサービスのほか、CS局のように豊富なチャンネルを放送する無料のインターネットテレビ『AbemaTV』などのサービスインにより、これまでにありがちだった『料金が高い』『見たいコンテンツがない』という声は非常に少なくなってきた印象だ。
これらのストリーミングサービスを視聴する場合、問題になりがちなのが“通信の快適さ”。近年は動画視聴にもスマートフォンやiPhone、iPadを利用する人が多いが、モバイルの回線を使うとパケット通信量がかさむため、通信には自宅で無線LANルーターのWi-Fiを利用することが多くなる。ただし、最近はWi-Fiに接続するデバイスが増えており、動画のデータサイズやルーターの性能によっては“通信の処理が追い付かず、快適に動画を見られない”といったことが起こるわけだ。
今後は美麗な映像コンテンツの普及により、動画のデータサイズの増加が想定されるため、こうした問題はより顕著になっていくと思われる。Wi-Fiを使っているのに動画再生が小刻みに止まってイライラする、という人は、一度自宅の無線LANルーターを見直す時期が来ているかもしれない。この記事では、流行の動画サービスの特徴と使い方、ルーター選びの重要なポイントなどを紹介しつつ、ルーターが実際の動画再生に影響するかどうかを検証していく。
価格や特徴はそれぞれ違う、動画サービスあれこれ
一口に動画ストリーミングサービスと言っても、提供形態や価格、コンテンツの傾向はさまざま。結局は自分のニーズにあったサービスを利用しなければ意味がないため、興味はあってもどれを利用すればいいかわからない、という人向けに、主なサービスと特長を簡単にまとめたのが下記だ。
フルハウス続編などオリジナルコンテンツが人気の『Netflix』
サービス利用料金:月額650円~1450円(初月無料)
国内では2015年に登場したストリーミングサービス。ベーシック(月額650円)、スタンダード(月額950円)、プレミアム(月額1450円)と3つの課金プランがあり、それぞれで視聴できる最高画質や同時視聴台数が異なる。プレミアムプランでは4K/HDR画質での試聴も可能となっているが、別途対応テレビなどが必要なため、フルHDで同時視聴2台までのスタンダードプランが人気のようだ。
映画・ドラマ・アニメといった既存のコンテンツ配信はもちろん、独自配信のオリジナルコンテンツに非常に力を入れているのが大きな特徴。日本でも人気のホームコメディ『フルハウス』の続編である『フラーハウス』のほか、又吉直樹の小説を映像化した『火花』、フジテレビで放送された『テラスハウス』の新シーズンなど、日本向けに制作されたコンテンツも含まれる。
コンテンツ充実、オフライン視聴も対応の『dTV』
サービス利用料金:月額500円(初月無料)
ドコモが運営する動画ストリーミングサービス。dアカウントを取得すれば、ドコモユーザーでなくとも利用できる。モバイル向けの利用を強く意識しており、動画をダウンロードしてオフラインで視聴できるのが非常に便利だ。反面、画質はそれなりで、複数端末の同時再生にも対応していないのがネック。
配信コンテンツは12万本以上と、国内でも最大級のラインアップを誇る。映画やドラマ以外にも、お笑いライブ、音楽、スライドショーで視聴できるマンガなど豊富なコンテンツが揃えられており、「とりあえず大量のコンテンツが揃っているサービスに加入したい」という人に向いているだろう。
Amazonプライム会員なら超オトクな『Amazonプライムビデオ』
サービス利用料金:年額3900円(Amazonプライム年会費)
大手ECサイト、Amazonが展開する動画ストリーミングサービス。最大の特徴は、Amazonプライム会員であれば無料で利用できること。Amazonプライムの年会費は3900円なので、月額換算しても330円で利用できる上、通販で買った商品の商品無料配送や『プライムミュージック』といった他のサービスもあわせて利用できるため、オトク感は非常に高いと言えるだろう。なお、一部の動画はスマホやタブレットへダウンロードしてオフライン視聴できる。
コンテンツ総数は他のサービスに比べれば多くないが、映画・ドラマ・アニメをメインに、海外・国内のコンテンツをバランスよく揃えている印象。戦隊ヒーローものや仮面ライダーといった特撮コンテンツが充実しており、『仮面ライダーアマゾンズ』『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』といったオリジナルコンテンツも配信されているため、子どもに見せたい場合や特撮好きの人には特におすすめできる。
流し見に最適! 一挙放送が熱いネットテレビ局『AbemaTV』
サービス利用料金:無料
サイバーエージェントとテレビ朝日により設立されたインターネットテレビ局。放送は一般的なテレビ局と同じようなタイムテーブルに従って行われており、オンデマンド方式のサービスとは異なる点に注意が必要だ。ただし、番組は見逃し配信や午前・午後の2回放送される場合も多く、月額960円を支払うことで放送終了後も番組を視聴できるプレミアムプランが存在する。チャンネルが豊富で、“とりあえず点けておいて流し見する”といった使い方ができるため、気軽に楽しめるのがいい。
休日や連休シーズンにはコンテンツの一挙放送を頻繁に実施しており、特にアニメの一挙放送が人気を博している。またテレビ局ということで、生放送のニュース番組専門チャンネルがあるのもオンデマンド系にはない特徴。『ペット』『麻雀』『将棋』『ゴルフ』といった趣味に特化したチャンネルも用意されていて、自分の趣味と親和性が高ければ一日中視聴していても飽きないだろう。
話題の民放ドラマやバラエティーが無料で見られる『TVer』
サービス利用料金:無料
テレビ朝日、日本テレビ、TBS、テレビ東京、フジテレビの在京5局が共同で立ち上げた無料配信サービス。2016年には累計アプリダウンロード数が500万越えを達成し、ABC、MBSといった地方局の番組も視聴可能となるなど、徐々に知名度を伸ばしている。ひとつのコンテンツの視聴期間は実際の放送から一週間ほどと長くないが、話題になったドラマやバラエティー番組をあとから無料視聴できるのは魅力だ。一方で、番組開始前や再生中などにCMが再生されるため、煩わしく思う人はいるかもしれない。
公開期間が短いことと、すべての番組が公開されているわけではないため、コンテンツの総数は相対的に少ない。ただし、過去には『逃げるは恥だが役に立つ』といった話題のドラマも配信されており、PCやスマホで好きな時間に見られるのは非常に便利。また、『マツコの知らない世界』『ガイアの夜明け』『情熱大陸』など民放の人気番組を視聴できるサービスは他にないので、コンテンツに興味がある場合は有力な選択肢となるだろう。