KDDIは2月2日、2016年度第3四半期(4月~12月)決算を発表した。売上高は前年同期比6.8%増の3兆5222億1900万円。営業利益は同15.4%増の7757億3700万円で増収増益。通期予想に対する進捗率はそれぞれ75%、85%となり、好調な進捗を受けて業績・配当予想を上方修正した。
田中孝司社長はUQ mobileの展開やビッグローブ買収などを受け「設備を作って設備を売るという通信事業から発想を変え、ユーザーとのタッチポイントを高めてさまざまなビジネスをする」として今後の見通しを楽観視しない構え。
EBITDAは同387億9040万円増の1兆2033億6400万円、設備投資額は1129億5300万円だった。UQ mobileも加えたモバイル通信料収入は通年で1.7%と向上しつつも成長率は第1四半期の3.5%から徐々に鈍化。田中社長は「総務省のガイドラインで明らかにキャリア間の流動が止まりつつある。さらにMVNOとMNO両方の軸を見るとMNOからMVNOへの流出が続いている」と語る。
UQ mobileの契約数は第3四半期で10万超の純増を達成しているが「auとUQ mobileは月額料金が異なるため全体的として売上は減少する。その差は新たなサービスや商材で埋めていかなければいけない」(田中社長)として、MVNO市場で30%のシェアを目指しつつ、国内通信事業の強化とともにコマースやコンテンツ、IoTなどのライフデザイン事業をさらに推進する考え。