前回の記事では、発売されたばかりの新エントリーモデルDrobo 5Cを紹介した。Drobo 5Cは代理店であるプリンストンでの直販価格が5万9800円(税込、以下同)、記事執筆時のアマゾン価格が約5万4000円と、Droboのラインナップ中ではグッとお得感のある価格設定ながら、上位機種同様の「手間をかけずにデータを保護」ができる。
2回目となる今回は年末に公開ということもあるので、来年2017年のあるべきPCライフにDrobo 5Cがぴったりとマッチすることを紹介していこうと思う。「冬ボーナスも出たし、外付けのストレージが欲しいんだけど、何を買えばいいんだろう?」とお考えの皆様は、ぜひご一読を!
薄いPCはカッコイイんだけどストレージが
ASCII.jpをご覧になっている方々には言わずもがなであるが、昨今のPC業界ではノートPCが主流であり、しかもスタイリッシュな薄型のモデルに人気がある。例えば、主にWeb系のエンジニアを対象にしたイベントに行ってみると、参加者はほぼほぼMacBook(Air/Pro)持ちだったりする。
Windowsを搭載したノートPCでも、薄型のモデルが増えてきている。薄型のノートはスタイリッシュで持っていて嬉しくなるし、比較的軽いので持ち運びしやすいというメリットもある。だが、HDDを搭載できるスペースはないので、たいていはNVMe接続などのSSDが搭載されており、容量はあまり多くない。大容量データの保存先として欲しくなるのが、外付けストレージとなる。
WindowsにしろMacにしろ、今時の基準で外付けストレージを選ぶとしたら、とりあえずインターフェイスはUSB 3.0(Macの場合はThunderboltもありえる)だろう。そのように限定したとしても、まだまだ非常に多くの選択肢がある。
安いものなら、1万円前後で2.5または3.5インチのHDDを1台搭載した製品があるし、より高価な製品だと複数のHDDを搭載できるものも選べる。1台のHDDを搭載した製品は相対的に安価で手軽に使えるが、一方で内蔵しているHDDが故障した場合は記録しているデータは失われるため、別途何らかの手段でデータのバックアップをとる必要がある。
また2台のHDDを搭載している機器ならば、両方のHDDに同じデータを二重化して記録することで、HDDのいずれかが故障してもデータは保持されるようにできる。このようにストレージ機器は価格のレンジが広く、それに対応するように機能・性能のレンジも広くなっている。
そんな中でDrobo 5Cは「ケースのみ」で5万円以上の値札がついており、実際に使用するためには、最小構成でもさらに3.5インチのHDDが2台必要となる。「ちょっと高いんじゃね?」と思うかもしれない。だがDrobo 5Cによって実現できることと、それがユーザーにとってとても有用であることを考えたら、むしろお買い得と言っても良い。この記事は、そう思ってもらうためのものだ。
そこで2017年のPCライフで、薄型のイカしたノートPCと組み合わせる外付けストレージに求められるスペックを考えてみよう。それが以下の3点だ。
- 誰でも簡単に使える
- データをきちんと保護してくれる
- 長く使える
誰でも簡単に使える
ストレージにデータ保護機能を持たせるためには、よくRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)という技術が用いられる。RAIDは前世紀から使われている歴史のある技術で、2台のHDDに同じデータを複製して記録(RAID 1、ミラーリング)したり、3台以上のHDDにデータを分散記録し、HDD 1台が故障してもデータが保全できるように記録(RAID 5)したり、用途に合わせてさまざまな種類(レベル)がある。
ただRAID技術は古くから使われている分、現状のハードウェアやソフトウェアにマッチしていない部分も出てきている。その最たるものが、いったん構築したRAIDアレイ(複数のHDDを1つのストレージに見えるようにまとめたもの)をデータを保持したまま再構築できない点だろう。
例えば「データが増えてきたので、今使っているRAIDアレイにHDDを1台追加する」といったことができないのだ。どうしてもそうしたければ、いったんデータをどこかに退避させておいて、アレイを再構築しなければならない。退避先を用意するのも大変だし、何TBもの大容量データの退避には相当な時間がかかってしまう。
それ以外にも、RAIDで使用するHDDの容量を揃えておかないと、保存スペースとして使えないムダな領域ができてしまう問題点もある。何より、ユーザーはデータを安全に保存したいだけなのに、そのためにストレージ技術に関する専門知識が必要になるというのが、がっかりなポイントだ。
(次ページ、「DroboのBeyond RAIDなら」に続く)
この連載の記事
-
第47回
sponsored
まさに究極のDrobo! Thunderbolt 3&SSDキャッシュ対応の「Drobo 8D」を試す -
第46回
sponsored
Droboに「AWS CLI」を入れ、Amazon S3にデータバックアップ -
第45回
sponsored
高機能ストレージ「Drobo」はトラブル対策も万全! -
第44回
sponsored
Windowsの機能を使ってDAS型のDrobo 5CをNAS化する! -
第43回
sponsored
Droboなら自分専用のクラウドストレージも簡単に実現できる! -
第42回
sponsored
Droboが柔軟かつ安全な理由は独自RAIDの仕組みにあった! -
第41回
sponsored
Droboの騒音や発熱、消費電力を徹底検証! -
第40回
sponsored
写真愛好家向けのバックアップとしてDroboはどうだろう? -
第39回
sponsored
家庭やオフィスでのデータ共有に便利な「Drobo 5N2」は設定も超簡単! -
第38回
sponsored
大切なデータの保存に役立つ「Drobo 5C」をゼロから紹介! -
第37回
sponsored
Drobo管理のキモ「Drobo Dashboard」を細かく紹介 - この連載の一覧へ