Drobo 5Cの性能はどうか?
筆者は、Droboシリーズの本質を「難しい話は抜きで大切なデータを保護できるストレージ」ととらえている。だから単純な性能比較にはあまり意味がないと思うが、同じエントリーモデルの前世代の製品であるDrobo(無印)との比較なら、おもしろいだろう。ということで、いつものようにベンチマークを取ってみた。
CrystalDiskMark 4.0.3(64bit版)を利用し、シーケンシャル読み出し/書き込みの速度を測定した(データのサイズ、條件についてはCrystalDiskMarkのデフォルト値)。使用したHDDは、手元にあったSeagateのBarracuda 7200.12の容量1TBのモデル。単体でSATA接続した場合、読み書きともに110~120MB/sec程度の性能が出せるドライブだ。
Droboシリーズの転送速度測定は、同じ条件下でもばらつきが大きいため、ここでは各条件のチャンピオンデータを紹介する。Drobo(無印)のデータは、「お手軽なうえにアップグレードパスもばっちりなDrobo(無印)」で測定した値を使用している。
Droboの転送速度(MB/sec) | ||
---|---|---|
条件 | Drobo(無印) | Drobo 5C |
読み出し/マルチスレッド | 151.9 | 151.9 |
書き込み/マルチスレッド | 86.53 | 144 |
読み出し/シングルスレッド | 70.68 | 55.99 |
書き込み/シングルスレッド | 160.4 | 216 |
Drobo 5CとDrobo(無印)の各条件での比較結果は上の表のようになった。Drobo(無印)の場合は、HDDの台数増減に伴う傾向のようなものはなかったが、Drobo 5Cのほうで最高値が得られた条件は、「HDDを最初から5台搭載したフォーマット直後」であった。
Droboと大容量/大量のファイルをやり取りした後は、データの転送が終わったあともDroboに搭載したHDDへのアクセスが起きており、HDD上のデータの再配置などさまざまな処理が行われているのが想像できる。
フォーマット直後は、そのような処理が最も少ない状態であり、最高性能に近い値と思われる。実際には少ない台数のHDDで使い始めて、HDDを追加したり交換したりしていくわけで、使い続けていくうちに内部で行われる処理も増えていき、性能も低下していくことになるだろう。
実際にWindowsマシンとDrobo 5Cを接続して使用している状況では、極端に性能が低下する局面もなく、必要にして十分な性能が出せていると言える。また、Drobo(無印)との比較では、書き込み性能に改善が見られた。Droboのように大容量のストレージは、主にデータを貯め込んでおくといった使われ方をすることも多く、書き込み性能が改善されていることは有用と言える。
Drobo 5Cは買い?
Drobo 5Cは、DAS型のDroboの中では最も低価格なエントリーモデルという位置づけだが、専門知識を持たなくても、HDDの故障からデータを保護できるという本質的な特徴は、上位機種と同等だ。またエントリーモデルの前世代であるDrobo(無印)と比較して、わずかではあるが性能も向上し、さらに搭載できる3.5インチHDDが4台から5台に増えたこともあり、より長期にわたって快適に使い続けられることが期待できる。
Drobo 5Cの価格については、米国での実売価格と他のDroboの国内販売価格からドル円レートを計算して「だいたい5万8,000円くらい?」と予想していたのだが、プリンストンの直販サイトやアマゾンで見ると5万9,800円(税込)となっていた。我ながら良い読みだと思う(笑)。
Droboならではの「手間をかけずにデータ保護」が約6万円で手に入るのが、新エントリーモデルDrobo 5Cである。間近かに迫った冬ボーナス商戦に向けて、自宅マシンのストレージ強化を計画している方は、Drobo 5Cを検討してみてほしい。
NASモデルやサーバールーム向けモデルもラインアップ
Droboシリーズには、家庭向けからサーバーとの接続に使うハイエンドストレージまで、多くの製品を用意している。ここでは、大企業の部門/中小企業から、家庭でも使える製品を紹介しよう(写真をクリックすると、メーカーページに飛びます)。
(提供:プリンストン)
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