初めての青色申告 基本のキホン3:「赤字繰越」
期首残高を設定したところで、また次なる疑問が。青色申告では「赤字繰越」というのができると聞いたんですが、そもそも赤字の概念ってどういうものなんでしょうか。大体フリーランスだと給与ってものがないじゃないですか。
「個人事業主、つまりフリーランスの赤字は本当に持ち出しで、収入より経費が多い状態のことを言います。ちなみに、赤字か黒字かは、白も青もまったく同じです。白色で収入と経費を計算して黒字になっている場合、青色になっても変わりません。むしろそこからさらに経費にできるものが増えるというのが、青色申告のおいしいところなんです」
青色は経費にできるものが増えるというのはうれしいですね! ちゃんと入力しておけば、白色よりかなり節税できそうな予感!
■これだけは覚えておこう! 帳簿によく出てくる単語
- 借方・・・・・簿記の仕訳や試算表の左側をさす。
- 貸方・・・・・簿記の仕訳や試算表の右側をさす。
※借方と貸方の金額は必ず一致しなければいけない。 - 事業主貸・・・事業の資産から、生活費関連を支払った場合
- 事業主借・・・個人の資産から事業の経費を支払った場合、もしくは事業資産に移した場合
- 売掛・・・・・商品を売り、その代金をあとで受け取ること
- 買掛・・・・・購入した仕入れ品の代金をあとで支払うこと
初めての青色申告 基本のキホン4:口座とクレジットカードの登録
そういえば、預金口座やクレジットカードを登録する場合、決済用と生活用は口座もカードも分けた方がいいんでしょうか。ポイントが付くからできれば一緒にしたいんですが。
「分けた方が良い部分も多々あります。青色申告は事業に関わっている分の帳簿をすべてつけなければいけないので、ひとつの預金口座で生活関連の引き落としも一緒になっている場合は、その通帳はすべて帳簿につけます。なので、事業に関係のないものも全部付けるので、単純に考えても手間が増えますよね」
キャー! ってことは、プライベートで買った○○○とかも白日の下にさらされるわけですかっ。
「やよいの青色申告 オンラインを使っている場合、口座やカードで事業用の取引がそんなに多くないようでしたら、「スマート取引取込」という機能を使えば、使った項目だけ取り込むことができます」
初めての青色申告 基本のキホン5:年度をまたいでの取引には注意
ほっ。それならちょっと安心です。他にも気を付けたほうがいいことはありますか?
「あとは特に年末年始の時期の仕事で気を付けなければいけないのが、年をまたいでの入金について。収入が漏れていると調査で言われるケースもあります」
ふむふむ。フリーランスだと、請求書を出してから入金されるまで大体1ヶ月ぐらいのタイムラグがありますよね。それが年を越した場合の処理ってことですね。
「年度を越えて入金される場合、売掛はたてておいて未入金としておきます。「入金された時が収入」と思う方が多いですが、本来はサービスを提供した日、納品した日が収入の日なんです。気を付けたいのが月締めの場合、年明けの1月に請求書を出しても、あくまで12月の末締めが12月の売り上げになるんです」
請求書を出した日ではなく、最終納品をした日ですね。これは覚えておかないと! さて、大体理解はできたので、あとはこの入力がたまった帳簿を急いでつけないとぉぉぉ! レシートや領収書はちゃんと保存してあるんですけどね……。
ただし、ここで注意が必要です。白色申告だった人が青色申告するには、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」という書類を提出しなければいけません。
ということで、いま申告しても今年(平成28年/2016年)分は間に合わないということです。逆に言えば今から準備してこれらの書類を提出しておけば、来年(平成29年/2017年)分からは青色申告ができるというわけです。
(提供:弥生)

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