新米フリーランスの確定申告にまつわる、素朴な疑問を解決していく当連載。今回は、ズバリ「フリーランスの老後」について考えちゃいます。ちょっと重い話題ではありますが、誰だっていずれは考えなければいけない問題。というか、フリーランスって、仕事を辞めても一般の会社員みたいに退職金なんてないですよね!? ど、どうしよう!

税理士の宮原裕一先生。PCソフト「弥生会計」を10年以上使い、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。現在は東京・三鷹で宮原裕一税理士事務所(テキストをクリックすると事務所のサイトをご覧いただけます)を経営している
今回の気になる点はこの3つ
- フリーランスに「退職金」みたいな仕組みってあるの?
- どれくらい節税できる?
- 実際にどうやって加入するの?
ということで、また宮原先生に聞いてみました。先生、タスケテ—!
1.フリーランスの「備え」は自分で準備しなきゃダメ!
「フリーランスの方は、退職金という考え自体がありません。といっても、それに代わる方法はいくつかあります。フリーランスや個人事業主の場合、上記の方法で老後の備えについて、自分で対策をたてていかなければなりません。それぞれメリット・デメリットを考えて、自分に合うものを選んでみてください」と宮原先生。
なるほど、ちょっと安心しました!
でも、色々方法があると悩みますね。複数やれば安心だけれど、現実的にはひとつに絞りたいと思います。オススメはどれでしょうか?
フリーランスや個人事業主が老後に備えるならどんな方法がある?
- 国民年金/国民年金基金
- 個人年金保険
- 貯蓄、資産運用
- 小規模企業共済
「フリーランスの方に『老後をどうしよう』と相談されたら、『小規模企業共済という制度があるよ』ということは伝えています。皆さん、その存在を知らない方が多いので」
確かに「小規模企業共済」ってあまり聞きなれない名前ですね。具体的にはどんなものなのでしょうか?
「小規模企業共済は、独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営している共済制度で、意味合いとしてはフリーランスや個人事業主の退職金に代わるものです。毎月一定の掛け金を払うことで、廃業時などに共済金を受け取ることができます。掛け金は最低1000円から最高7万円まで選ぶことが可能です」
それって、銀行の定期預金とどう違うものなんでしょうか? 何かメリットがあるんですか。
「ありますよ。小規模企業共済は、払った掛け金が全額所得控除になるほか、共済金をもらう時も退職所得扱いになるので、かなりの節税が可能なんです」
なんと! それは見逃せませんね!!

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