週間リスキー 第91回
「ソニーが基本的に好き。」の君国氏による自腹レビュー
SIMフリー版「Xperia XZ」を自腹購入でレビュー! X Performanceとの違いは?:週間リスキー
2016年10月28日 19時00分更新
CPUやメモリーは据え置き。グローバル版は64GBストレージ
さて、そのほかのスペックについては、CPUはSnapdragon 820、メモリーは3GB、ストレージは64GBとなります。「Xperia X Performance」ですでに体感済みですが、いつものスクロール動作からアプリの操作にいたるまで、ストレスなくサクサク動きます。
グラフィックがグリグリ動くゲームアプリなどでわざと負荷をかけてもみましたが、一部分が熱くなるということもなくうまく熱分散されて背面が暖かくなるという程度で、常用として気にせずに使えます。
去年の発熱で苦しまされた辛さを思えば、プロセッサーが刷新されて、内部の熱効率設計や背面パネルがアルミパネルになって熱分散させやすくなったりと、放熱設計の改良でストレスはほぼないと言えます(一部では、フラッグシップなのにメモリーが3GBなのかよ!とツッコミもありますが)。
あと、ストレージが64GBというのもうれしいところで、最近とくに写真や動画を撮りまくったり、ハイレゾ音源をどんどん入れてしまうとあっという間に消費してしまうので、内蔵ストレージも多いにこしたことはありません。
OSは、今のところAndroid 6.0で出荷されています。Xperiaの特徴でもあった「スモールアプリ」がなくなっているので、複数アプリを使い分けられるマルチウィンドウが利用できるAndroid 7.0にアップデートして欲しいところです。
バッテリー容量は、「Xperia X Performance」が2570mAhと少なくて心もとないところがありましたが、「Xperia XZ」は「Xperia Z5」と同じく2900mAhと大きくなりました。Qnovo社と共同開発したという長寿命化技術は、2年以上使ってみないとその性能は真偽がわからないのであえてノーコメントで。
「Xperia XZ」にはもうひとつ新しく「いたわり充電」を備えて、使っている人の習慣を学習して充電速度を調整してくれるらしく、こうしたところでもバッテリーの寿命を伸ばしているようです。
新機種が出るごとに毎回買っている自分を含めた一部の人には、その恩恵に気づくことは稀かもしれませんが(汗)
それよりも日々のバッテリーもちのほうが切実で、電池の消費を抑える「STAMINAモード」は使い方によって3段階節電レベルを選べるので積極的に利用したいところです。 「Quick Charge 3.0」に対応してくれているおかげで対応した機器を使えば充電スピードが早くなったというのも進化ポイントで、これは使っている当日からかなりお役立ちでした。
今回さらに進化したカメラまわり
背面のメインカメラは、1/2.3型の約2300万画素のイメージセンサーExmor RS for mobileでセンサー、広角24mmのGレンズというところは「Xperia Z5」の時点で確立されていましたが、新たに低照度でも高速かつ高精度AFができる「レーザーAFセンサー」と、さまざまな光源環境でも忠実な色再現が可能な「RGBC-IR センサー」を搭載してきました。
AFスピードについては随分と早くなってきたと思っていましたが、薄暗いシーンになるとAFが迷ってしまうことは避けられませんでした。ところがどっこい、「Xperia XZ」はかなり高精度にピントがピピっとあいます。これはビックリ。
新しく13段階のシャッタースピード調整とフォーカス調整ができるようになっているので、夜景撮影で光源を残したり、ガラスごしの風景にもピントをあわせるといった意図的な撮影も可能に。
スマホなのに、ISO感度、HDRオン・オフ、シーン設定、ホワイトバランス、露出補正に加えてこういった自分でいじりたい設定を反映して撮れるという楽しみ方ができるというのもかなりの魅力です。
フロントカメラも、センサーサイズが1/3型1320万画素のイメージセンサーExmor RS for mobileと高画素化して、22mmという広角なレンズで、自撮り最強です。
しかもスマホで自撮りするとき大変な、シャッターボタンをタッチするという難関も、手のひらを向けたらシャッターが切れるという新ワザ「ハンドシャッター」を搭載してきました。
試しにやってみましたがこれはイイです!画面を触ってブレてしまうこともないし、シャッタータイミングのきっかけにもなります。
また、「Xperia X Performance」では4K動画撮影機能がアプリから排除されてしまったと嘆かれていましたが、「Xperia XZ」では復活。
ハイビジョン動画撮影のみにはなりますが、インテリジェントアクティブモードが3軸から5軸になったことで、特に被写体によったマクロ撮影でブレを大きく抑えることもできるようになっていました。今回、カメラまわりの進化点はやたらと多いですね。
オーディオまわりも着実に進化
それからもうひとつ、周囲の騒音を感知して騒音を最大約98%低減するデジタルノイズキャンセリング機能を効かせながら、ハイレゾオーディオ音源を聴けるのも「Xperia XZ」ならではです。
今回は、アナログオーディオ回路も見直したという事もあって、音質もさらによくなっています。もちろんBluetoothでも、SBCコーデックの最大約3倍のデータを転送できる「LDAC」にも対応して、ワイヤレスでも高音質を楽しめるので、いつも持ち歩くXperiaがそのまま立派なオーディオプレーヤーとしても活躍してくれます。
Xperia Zシリーズの5.2型モデルから買い替えを検討しているユーザーからすると、Xperia Xシリーズとしての「Xperia X Performance」は、スペック含め、快適なところにありつつも、ディスプレーサイズが小さくなったりバッテリー容量が少ないといったところが気になって買い替えを躊躇していた人にとっては、「Xperia XZ」はまず死角のない高いバランスのとれたモデルとなっているのではないかと。
さて、ここまでレビューしておいて言うのもアレですが、やっぱり気になる技適について、「Xperia XZ Dual(F8332)」に確認できたのは、「EU」と「US」の表記のみで、日本国内の技適は通過していないようでした。
※著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではございません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。
この連載の記事
-
第118回
スマホ
HUAWEI Mate 10 Proを買う人はGalaxyのDeX Stationも買っておくべき -
第117回
スマホ
日本対応! タイのSIMロック機がなぜかアジア最強の格安ローミングスマホになる -
第116回
スマホ
中国の子ども向けAndroid端末がホログラム表示&QWERTY仕様で超変態的だった -
第114回
スマホ
物理QWERTYキーボードカバーの夢を再び! Galaxy S8で日本語入力はできるのか? -
第113回
スマホ
1000円を切る激安活動量計を買ってみた。ダメだった -
第112回
スマホ
IDOL4を純正ケースでBlackBerry化!「アイドルベリー」爆誕!? -
第111回
スマホ
最強のセルフィースマホ「Meitu T8」の実力をチェック -
第110回
スマホ
100名以上のガジェット好きが集まった「めんたいガジェットフェス2017」レポート -
第109回
スマホ
【速報】2年ぶりの出展となる「ASUS」がめんたいガジェットフェスに参加決定! -
第108回
デジタル
Xperia Earの体験を愛車に実装するソニー純正スマホコントローラーを試した -
第107回
ゲーム
外でもTVモードで遊びたい! ニンテンドースイッチ+LTE内蔵モバイルシアターに挑戦 - この連載の一覧へ