今週もポケモンGO人気は続いています。調査会社App Annieによればダウンロード数は1億、毎日の売り上げは1000万ドルに達したとのこと。
アプリだけにバッテリーなどが飛ぶように売れる「特需」が起きたり、プレーヤーが殺到する公園や寺社で「軋轢」が生じたりと、話題に事欠かない状況が続いています。
ポケモンGOは今から始めても追いつける
日本でのサービス開始から1週間以上が経過し、ゲームをどんどん進めている人はそろそろレベル20を超える頃かと思います。
では、今から始めるともう間に合わないかといえば、まったくそんなことはありません。ポケモンGOは、新規プレイヤーでも追いつきやすいゲームバランスになっていると筆者は感じています。
レベル20以降、レベルアップに必要な経験値は急激に増え、ポケモンの捕獲も困難になっていきます。多くのプレイヤーはここで挫折するので、後から始めた人でも追いつけるというわけです。
また、ポケモンGOの醍醐味であるジムバトルは攻撃側が有利。多少の実力差があっても、数で押せば勝てます。逆にジムを防衛してポケコインを稼ぐことは難しくなっています。
ゲーム全体を通して、無理な課金を強いられることがない点も気に入っています。筆者は経験値が2倍になる「しあわせタマゴ」や、タマゴを並列で孵化できる「ふかそうち」を買っているものの、それでもレベル24までに1万円以下。もう少しゆっくり進めるなら、無課金でレベル20台に到達することも十分可能です。
大手キャリアは歩きスマホに懸念
ポケモンGO人気に乗じて、「ポケモンGO無料」のSIMカードを発表するMVNOが登場しましたが、7月28日には日本通信が「ポケモンGO専用」のSIMを発表したことが話題になりました。
このSIMは「専用」をうたうだけあって、ポケモンGOのプレイやアプリのダウンロードやアップデートのための通信だけができる点が斬新です。たとえば子供に持たせるスマホの機能を制限したい場合でも、このSIMなら有害なコンテンツに晒される恐れがなく、ペアレンタルコントロール機能として使えることが期待できます。
では大手キャリアはどうかというと、ポケモンGOに対して慎重な姿勢を取っています。大手キャリアはこれまで「歩きスマホ」を減らすための取り組みを進めてきたのに対し、ポケモンGOはそれを助長する恐れがあるからです。
7月28日のKDDIによる発表会では、「シニア向けスマホ」の発表でポケモンGOへの言及が期待されたものの、「個々のアプリの動作は保証していないが、(ポケモンGOは)問題なく動作している」と、距離感を保ったコメントになりました。
今後、2016年9月に発売予定の「Pokemon Go Plus」があれば、スマホの画面を見ずに遊ぶことができます。また、スマートウォッチなどウェアラブル製品との連携にも期待したいところです。
家電量販店の売り場も一変
ポケモンGO効果で、量販店の雰囲気も大きく変わりました。東京都心のヨドバシカメラやビックカメラでは、モバイル売り場でポケモンGOが大きな存在感を示していることが分かります。
特に注目したいのが、モバイルバッテリーです。GfKジャパンが7月28日に公開したデータによれば、ポケモンGOの登場後、モバイルバッテリーの売り上げが急増していることが読み取れます。
また、ビックカメラ有楽町店では、1階に「充電済み」のモバイルバッテリーが山積みになっていたことが印象的でした。「まさにいま、スマホを充電したい」という来店客が押し寄せていることがうかがえます。
プレイヤーの増加で軋轢も
ポケモンGO人気により、さまざまな軋轢が生じているとの報道が増えています。公園や神社など、本来は誰もが自由に出入りできるはずの場所にあまりにも多くの人が殺到したことで、ゴミや喫煙、違法駐車などの問題が起きています。
しかもポケストップやジムの大半は、こうした施設の意志とは基本的に無関係に設置されているというのが、位置情報ゲームの特殊性です。もし仮にポケモンGOの要素を排除するよう求める声があった場合、運営元のナイアンテックには速やかに対応してほしいところです。
サードパーティによる関連サービスも悩ましい事態になっています。ポケモンの出現位置をマップ上に可視化する「PokeVision」のようなサービスが登場したものの、現在は停止しています。
こうしたサービスはポケモンGOとサーバーのやりとりを解析することでAPIを割り出し、それを勝手に呼び出すことで作られているとみられます。攻略の助けになることは間違いないものの、ゲームバランスを大きく変える可能性があるだけに、こうしたサービスに頼ることには慎重になりたいものです。
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