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マイクロソフト・トゥディ 第197回

日本の開発者たちは、日本を変えることができる - MSナデラCEO

2016年06月27日 11時30分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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広尾中学校の特別授業に参加

 de:code 2016の会場をあとにしたナデラCEOが向かったのは、意外にも、渋谷区立広尾中学校であった。

広尾中学校に向かうナデラCEO

生徒の案内で学校内を見学した

生徒から校訓についての説明を受ける

 広尾中学校は、マイクロソフトが、今年5月から全世界を対象に開始した「Minecraft: Education Edition ベータプログラム」に参加した国内第一号校。このプログラムは、ナデラCEOが発表したミッションに基づいて、昨年9月に世界中のコンピュータサイエンス教育向けの投資拡大の発表。その具体的施策のひとつに位置づけられているものだ。

授業で使用するPCはSurfaceが約半分を占めていた

授業ではMinecraft: Education Editionのベータ版を使用。6月初旬から世界中の教育機関が活用できるアーリーアクセスプログラムを開始している

 この日は、広尾中学校の2年生50人が特別授業に参加。ナデラCEOは、教室内を巡回して、生徒に直接声をかけて交流した。

特別授業ではナデラCEOが生徒に話しかけるシーンも

席に座り込んで、生徒と談笑する様子も。常に笑顔が絶えなかった

日本マイクロフトの平野拓也社長も授業の様子を見学

樋口泰行会長も真剣な様子で生徒の作業の様子をのぞき込む

初めてPCに触れ、それが私の人生を変えてしまった

 ナデラCEOは、「私はみなさんよりもう少し歳をとってから、初めてPCに触れたのだが、それが私の人生を変えてしまった。今日の授業では、Minecraftを使って、一人ひとりがまったく異なる世界を作り、創造性を発揮していることが感じられた。目の前で新たなものが作られており、みなさんの人生も変え始めている。

 コンピュータ思考を学ぶことや、Minecraftを通じて教訓を得ることは、技術者や医者、弁護士、政治家など、将来、どんな仕事に就いても活用できるものである。デジタル技術はあらゆるところに広がっていく。みなさんの作業ぶりを見ていると、日本の将来だけでなく、世界の将来を感じることができた。Minecraftでどんな成果物を作り出すのかを楽しみにしている。そして、オープンな世界での学びにも期待している」と述べた。

生徒たちを前に挨拶したナデラCEO

 また、文部科学大臣補佐官の鈴木寛氏も同席。「PCの登場によって、時間と空間を超えて、世界がつながった。PCは、世界中のどことでも、あるいは宇宙ステーションともつながる窓である。ITはまだまだ進化する。社会的な課題を乗り越え、幸せになるための大事なツールであり、プラットフォームとなる。今日使用しているMinecraftは、新たな世界を作ることができる。新たな世界を仲間と一緒に作る体験ができる。これは、新たな世界の歴史、新たな人類の歴史を作ってもらうための勉強である。未来を予測する最高の方法は、自分たちで新たな未来を作ること。もっと世界中の人たちとつながって、新たな世界を作ってもらいたい」などと述べた。

文部科学大臣補佐官の鈴木寛氏

生徒たちからナデラCEOにプレゼントが贈られた

ナデラCEOと談笑する広尾中学校がある渋谷区の長谷部健区長

トヨタ自動車の豊田章男社長と会談

 広尾中学校には約1時間滞在。その後、トヨタ自動車の豊田章男社長と会談し、マイクロソフトも出資をする「TOYOTA Connected」による新たな連携をはじめ、両社の緊密なパートナーシップについて議論を交わしたあと、品川の日本マイクロソフト本社で開催された社員向けイベントに参加。社員と懇親し、ナデラCEOは、慌ただしい1日を追えて日本を離れた。

トヨタ自動車の豊田章男社長とも会談

「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」

 実は、ナデラCEOは、日本を離れたあと、タイ、インドネシア、シンガポール、インド、中国と6か国を訪問。アジア各国でも精力的に活動してみせた。この精力的な活動ぶりには驚くばかりである。

 そして、今回のアジア訪問では、共通のメッセージがひとつあった。それは、マイクロソフトが掲げる「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」というミッションを、各国において推進していくことを徹底するものであった点だ。

 言い換えれば、ナデラCEOが打ち出したOne Microsoft Cultureを、日本をはじとめするアジア各国において実現するために、重要な意味を持ったアジア訪問であったといえそうだ。

ナデラCEOは、日本においてもミッションの遂行を徹底した


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