5月27日、Airbnb(エアビーアンドビー)Japanとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)は、日本国内でのホームシェアリングサービスの普及とマーケティングについてのパートナーシップを締結しました。同日の記者発表会には、CCC代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏とAirbnbの創業者・CPOのジョー・ゲビア氏、Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏が登壇しました。
新しいツーリズムを提案するAirbnb
Airbnbは、最近では「民泊」というキーワードで話題になっている海外のサービス。Airbnbのユーザーは自分のもつ家などの物件や部屋を宿泊所として提供する「ホスト」と、その物件や部屋を実際に借りて利用する「ゲスト」の2種類にわけられます。同社によればAirbnbの登録物件は191ヵ国・3万4000都市に存在し、トータルで約200万件。国内については、約3万5000件のホスト登録があり、2015年では130万人の訪日外国人(インバウンド)の利用があったとしています。
会見で共同創業者であるゲビア氏は、「近代のツーリズムは異常なものになっている。皆が同じような観光スポットに行き、同じような写真を撮っている」と語り、自社のサービスを「ゲストは訪れた場所の部外者(アウトサイダー)から地元民(インサイダー)になれる。その地域に住むとはどういうことかを体験して欲しい」と紹介しました。
「企画会社」CCCはインバウンドをターゲットに
CCCはCD/DVDレンタル「TSUTAYA」や共通ポイント「Tポイント」を運営する企業ですが、同社の増田CEOは「CCCは、企画会社。ライフスタイルを提案していく」と自社のミッションについて解説。また、インバウンドによる今後の日本での支出額や来訪数の予測を根拠に、「(インバウンドが)欠かせないテーマ」であると説明しました。Airbnbとのパートナーシップ締結はまさに、そんな同社の狙いが表れた施策だと言えます。なお、CCCとAirbnbは、2015年に神奈川県にある同社の複合施設「湘南T-SITE」に実際に宿泊してもらうというキャンペーンで既にコラボレーションを行なっていました。
Airbnb自体も「日本ではクリアーではないのが現状」と語り
新しい法律への期待とホームシェアリングの啓発活動につとめる
さて、現状Airbnbにまつわる問題は法律的なものから利用者同士のトラブルまで、さまざまなものが存在します。「民泊のレギュレーションについてどのように考えているか」という取材陣からの質問に対して、Airbnb Japan代表取締役の田邉氏は「いろいろな見解があることは認識しており、日本ではクリアーではない現状。公平な法律ができることを祈っており、関係各所とも調整を進めている」と述べました。
一方、CCCの増田氏は「貸しレコード屋をつくったときも、それは違法だと言われた。しかし、当時はレコードを貸すという法律がなかった。その後、貸与権という仕組みができた。Airbnbも既存の枠組みでははかれないサービスだと思う。新しい法律ができることを期待する」と、同社の前身とAirbnbの現状を重ねて考えていることを語りました。
パートナーシップ締結により、CCCは本日から「日本流のホームシェアリング」の啓発サイト「Airbnb ホストナビ」の公開、代官山T-SITEおよびSHIBUYA TSUTAYAでの店舗全体をつかったプロモーションを実施。また、Airbnbのサイトでも、ホストナビ経由でホストになり合計2万円以上の予約が入るとTポイント1万ポイントがもらえるキャンペーンを案内しています。