2015年から2016年の最新CPU事情~AMD編~
続いて、AMD製のCPU/APUについてみていこう。2012年に発売したAPU“Trinity”、2013年6月には“Richland”。さらに2014年1月には“Richland”の後継となる“Kaveri”を発売するなど、積極的にAPUの新製品を投入してきたAMD。
その後、しばらく間が空いたものの、2015年5月に初の“Godavari”採用モデル「A10-7870K」をリリースした。
2016年3月には、最上位モデル「A10-7890K」の販売がスタート。定格クロック4.10GHz、TurboCore時クロック4.30GHzを実現したAPU最速モデルで、CPUクーラーには高冷却がウリの「Wraith Cooler」が付属する。なお、今後は新コア“Bristol Ridge”へ移行していく予定だ。
AMD Aシリーズ ラインナップ表 | |||||
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モデルナンバー | A10-7890K | A10-7870K | A10-7860K | A8-7670K | A6-7470K |
ソケット | Socket FM2+ | Socket FM2+ | Socket FM2+ | Socket FM2+ | Socket FM2+ |
物理コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 |
論理コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 |
動作クロック | 4.1GHz | 3.9GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.6GHz |
TurboCore時クロック | 4.3GHz | 4.1GHz | 4.0GHz | 3.9GHz | 4.0GHz |
2次キャッシュ | 4MB | 4MB | 4MB | 4MB | 1MB |
内蔵グラフィックス機能 | Radeon R7 | Radeon R7 | Radeon R7 | Radeon R7 | Radeon R5 |
TDP | 95W | 95W | 65/45W | 95W | 65W |
さて、本来であればメインストリーム向けとなるはずのSocket AM3+対応のCPU。目新しいところでは、新型クーラーが付属する「FX-8370」がリリースされた程度で、ほとんど動きはない。AMDの次期プロセッサー“Zen”の登場まではこの状況が続くと思われ、AMD党のユーザーはまだまだ辛抱し続ける必要がありそうだ。
新規で組むメインマシンは「Skylake」一択か?
インテル、AMDにかかわらず、新規にPCを組むならSkylakeベースのPCがオススメだ。ソケットが「LGA 1151」になったためマザーボードを購入する必要があるが、対応メモリーはDDR4(一部製品を除く)になりパフォーマンスも向上している。
Skylake対応マザーなら、M.2やUSB 3.1といった最新インターフェースが利用できる製品がほとんどなので、この機会にWindows 10を合わせて導入というのもありだろう。
AMDのオススメは、“Godavari”採用APUになるが、従来のコストパフォーマンスに優れるというウリが怪しくなってきた。というのも、Skylakeの登場により、インテル製CPUも内蔵GPUのスペックが向上したからだ。
さらに最近急激な値下がりを見せているDDR4メモリーの価格は、今やDDR3と同等かそれ以下という状況だ。Core i3やCeleronといったローエンドのCPUを使えば、AMDよりも安くてハイパフォーマンスのPCが組めるわけで、APUを使うアドバンテージはなくなりつつある。AMDは、一刻も早い新製品の投入が待たれる。
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