マイクロソフト・トゥディ 第189回
Conversations as a Platform - "対話"で開く新世界へ誘う「Windows 10 Anniversary Update」
2016年04月20日 10時00分更新
「Cortana Intelligence Suite」とは
そして、Build 2016で発表されたCortana Intelligence Suiteも、Conversations as a Platformを実現する製品のひとつといえる。
これまで、Cortana Analytics Suiteと呼ばれていた同製品は、Microsoft Azure上で構築されるサービスのひとつで、新機能としてMicrosoft Cognitive ServicesとMicrosoft Bot Frameworkが提供されることになる。それらの機能をみると、ここでもConversations as a Platformのメッセージを具現化していることがわかる。
Microsoft Cognitive Servicesは、システムが、対話などの自然なコミュニケーション方法を使いながら、見聞きしたり、話したり、ユーザーのニーズを理解あるいは解釈できるようになるインテリジェンスAPIの集合体だ。また、Microsoft Bot Frameworkでは、開発者がどの言語でプログラミングしても、テキストやSMS、Office 365、Skype、Slack、ウェブといった様々なプラットフォーム上で、自然な言葉でユーザーとチャットできるインテリジェントボットの構築が可能となる。
開発者や企業は、ビッグデータや機械学習、知覚、アナリティクス、そして、インテリジェントボットといった機能を使って、学習型の新たなアプリや、パーソナライズしたアプリ、インテリジェントなエンド・トゥ・エンドのソリューションを開発できるという。
「Seeing AI」 - 目が不自由な人たちをサポートする取り組み
Build 2016において、Cortana Intelligence Suiteで構築されたサービスのひとつとして公開されたのが、開発中の研究プロジェクト「Seeing AI」だ。
これは目が不自由な人たちをサポートする取り組みのひとつで、スマホやウェアラブルデバイスなどで目の前のシーンを撮影すると、その状況を音声で教えてくれるというもの。撮影された町の風景や、目の前をスケートボードで走り去る少年など、その様子を音声で伝えてくれる。もちろん、手元にある資料なども、同様にスマホで撮影しその内容を読み上げさせるといった使い方もできるようになる。訪れたレストランのメニューでも同じ使い方ができるだろう。
これもプラットフォームとの対話を通じて、目が不自由な人たちを支援するものといえる。
「Skype Bot Platform」
さらに、Skype Bot Platformも、Conversations as a Platformを体現するものだ。このプラットフォームを活用することで、開発者は、テキスト、音声、動画および3Dインタラクティブ文字など、Skypeで提供されるコミュニケーション形式を活用して、ボットを開発でき、何億人ものSkypeユーザーにリーチできる。
従来型の入力方式とは異なる新たな仕組みで、コンピューティング・クラウドを活用
このように、マイクロソフトは、今回のBuild 2016において、あらゆる新機能や新サービスを、「Conversations as a Platform」という言葉でまとめてみせた。
キーボードやマウスといった従来型の入力方式とは異なる、新たな仕組みを利用することで、インテリジェントなプラットフォームと対話をしながら、コンピューティングやクラウドを活用するということになる世界がやってくるというわけだ。
Conversations as a Platform――。今後、マイクロソフトの新たな方向性を示す際に、この言葉が頻繁に使われることになりそうだ。
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