――テレビで解説業などもされていますが、なぜ起業を?
自分が引退するにあたって、サッカーに大きな恩恵をもらったので、サッカー界に恩返しをしたいと思ったんです。おそらく、ふつうに事業をやっていても、直接的にはお金だけの支援になります。もちろん、資金の面でもサッカー界に恩返していきたいと気持ちはあります。ただ、そこに自分だけができることはないかと考え、“アスリートのパフォーマンスを向上”させるということをして、サッカー界を引っ張っていけるのではないかと思いました。
以前、共通の友人をとおして腸内環境を研究しているウンログの田口さんと出会い、事業のお話を訊いたときに健康的な生活に“腸内環境が非常に重要なこと”を知りました。さらにヒトの健康やアスリートのパフォーマンスに影響を及ぼす“腸内フローラ”にはまだ解明されていないことも多く、この解析事業をやってみたいと思ったのです。
――腸内フローラの解析ですが、事業にはどのように関係しているのですか?
田口さんやスポーツドクターの方と話をして、健康や生活には腸内細菌が深く関係していることがわかりました。またサッカー選手、アスリートの排泄物のデータを集めれば、もしかしたら、優れたアスリートだけに多い“アスリート菌”みたいなものがわかるのではと。田口さんによるとトップアスリートは腸内細菌が一般の人より量が多いというデータが2014年に出て、また腸内細菌に多様性があると健康だというデータもあると知りました。
――アスリートのための研究なんですね
はい。アスリートはパフォーマンスを上げるため、コンディショニングを整え、日々トレーニングによりその最大値を上げています。トレーニングの質は年々高まっていますし、トレーニングだけでなく、そこに何を加えれば、アスリートの能力をより向上できるのか。体のコンディションに影響を与えるアスリートの菌を調べて、パフォーマンスを向上させるためにアスリートに還元することが自分たちの事業だと思っています。