学研がベンチャーとともに新たに収益を上げる出版の新規事業創出を狙う
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大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
学研ホールディングス 第3回(全4回)
学研のスタートアップ支援プログラムの第1弾“学研アクセラレーター2015”は、現在も進行形ながら早くもそれなりの成果を見せているようだ。これを受け、今年度展開中の第2弾となる“学研アクセラレーター2016”では、どのような方向性が目指されているのだろうか──。学研プラス 出版プラス事業部 パートナー事業推進室の谷口正一郎室長に話を訊いた。
今回の事業テーマは“出版”
“学研アクセラレーター2016”では、前回の“教育”から枠を広げ、“出版・メディア、書籍・雑誌、情報コンテンツ、教育”と広げたテーマを掲げている。2015年12月に応募書類による一次選考通過チームが集ったピッチ大会が開催され、優秀賞が4チームとアライアンス賞が2チーム、計6企業チームのビジネスプランが選ばれた。各チームは現在、昨年同様に5月に開催されるデモデイを目指し、学研アクセラレータープログラムに参加している状況にある。
今回、“出版”という学研の屋台骨とも言える事業領域を選んだ理由について、谷口氏は次のように説明する。
「メインの事業領域である出版ビジネスに新規事業等をプラスすることで、もっと収益性を上げることが、学研アクセラレーター2016の最大のミッション。日頃、経営陣や株主から言及され続けている課題であり、社員も常に問題意識を抱いているテーマでもある。だが、学研だけで行なおうとすると、既存の事業である程度回していけてしまうことなどから、どうしても新しい動きにつなげにくい。そこで、ベンチャー企業や起業家との共創の道を選んだ」
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