米ラスベガスで1月9日まで開催されていたCES 2016が終了しました。今年は目玉と呼べる新製品がなかったとの声は多いものの、PCやタブレット製品の中で特に筆者が欲しいと思ったデバイスが、サムスンの『Galaxy TabPro S』です。
ATIVではなくGalaxyとしてWindowsを採用
これまでサムスンのGalaxyシリーズのOSといえば、一貫してAndroidが採用されてきました。これに対してGalaxy TabPro Sでは、Windows 10を搭載しています。しかも製品名には、フラグシップを意味する“S”付きです。
もちろんサムスンはこれまでWindowsを無視してきたわけではなく、むしろ、かなりの投資をしてきました。Windows Phone 7の最初のヒーロー端末は『Samsung Focus』でしたし、鳴かず飛ばずだったWindows RTでも『ATIV Tab』をリリースしています。海外ではノートPCも販売しており、CES 2016では840gという超軽量の13型WindowsノートPCを発表しています。
しかしスマホとしてGalaxy Sが成功して以降、スマートデバイスの中心には常にAndroidを据えてきたことも事実。それだけに、サムスンの基調講演にWindows 10開発の責任者としてお馴染みのテリー・マイヤーソン氏が登壇したことはサプライズになりました。今後のサムスンとマイクロソフトの関係強化に、俄然、注目が集まります。
インタフェースをUSB Type-Cに一本化
多くのPCメーカーがWindowsタブレットを作っている中で、Galaxy TabPro Sはそれらと一線を画している印象を受けます。手に持ってみると、Android版のGalaxyタブレットと遜色ない薄さと軽さに驚きます。もしCPUがAtomなら普通に納得するところですが、Core M搭載という点も驚異的です。
ここまで薄いと、USBやHDMIといったPC的なインターフェイスの搭載はもはや不可能。そこでGalaxy TabPro Sでは、USB Type-Cを1つだけ搭載し、データと充電を一本化しています。USB Type-Cが1つしかないPCといえば新型MacBookですが、まさにそのコンセプトをタブレットに応用したのがGalaxy TabPro Sといえます。
CES 2016のサムスンブースでは、USB Type-Cに変換アダプターを接続することで、外付けのSSDや外部ディスプレイを利用。同時に充電もできることを示していました。
Galaxyブランドの製品として日本展開にも期待
ほかにもGalaxy TabPro Sでは、カバーを兼ねたキーボードや、Galaxyシリーズが得意とするペンも取りそろえており、さまざまな用途に活用できることを示していました。ブースではSuper AMOLEDの鮮やかな画面に釘付けになっている来場者が印象的でした。
サムスンは日本国内においてWindows PC製品を展開していません。しかしGalaxy TabPro Sは日本でも注力するGalaxyブランドの製品だけに、発表を期待したいところです。
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