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業界人の《ことば》から 第170回

重要なのは、PARTICIPATION(参加)

オープンソースを先導するレッドハットの役割は、パートナーの架け橋になること

2015年11月17日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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 だが、その一方で、オープンソースの課題も指摘してみせる。

 ホワイトハースト社長兼CEOは、「オープンソースの開発モデルはモジュール型となっており、それぞれの機能を組み合わせることができるのが特徴。また、新たなリリースが次々と登場し、そして、次のリリースが登場する際には、バグが修正されるというサイクルができあがっている。これは、プロダクションソフトウェアにはできないものである」と前置きしながら、「その結果、オープンソースソフトウェアには、140万ものソースがある。だが、このなかから、どれを使えばいいのか、どれを組み合わせれば、エンタープライズ環境での使用に耐えうるのか、そうしたことがわからない企業が多い」と課題を指摘する。

 しかし、「ここにレッドハットの役割がある」とも語る。

 「レッドハットは、オープンソースコミュニティーのアップストリームで仕事をしている企業のひとつだ。最新の技術は、ここで開発され、活用されている。また、主要な製品においては、1位あるいは2位のコントリビューターになっている。そうした立場を前提にして、さまざまなユーザーと話をして、エンタープライズニーズを理解し、多くのユーザーが活用できるような製品、サービスを提供することができる。これにより、オープンソースに、新たな付加価値をつけることができる。オープンソースであるにも関わらず、レッドハットがプロダクションソフトウェア並の開発投資を行なっている理由はそこにある」と語る。

 だが、ホワイトハースト社長兼CEOは、こんなことも話す。

 「レッドハットは、ソフトウェアをディストリビュートしている企業だが、そのロードマップを示すことが役割ではない」

 では、レッドハットの役割はなんだというのか。

「重要なのは、PARTICIPATION」と語る

 「重要なのは、PARTICIPATION(参加)。コミュニティーに参加してもらい、その力を最大限に活用してもらうための支援をすること。ここでは、世界で最もスマートな人たちと、コミュニケーションをすることができる。コミュニティーに参加することそのものがパワーになる」とし、「レッドハットは、最先端を走っている人たちが、どの方向で、どのテクノロジーを使おうとしているのか、そして、コミュニティーがどこに行こうとしているのかを、最もよく知っている。レッドハットのビジョンは、顧客、開発者、パートナーの架け橋となり、オープンソースの手法で、より良いテクノロジーを作ることである」とする。

RED HATのミッションステートメント

 レッドハットは、54四半期連続で右肩上がりの成長を続けている。実に15年連続という快挙だ。そして、今年度は、前年比20%増の成長が見込まれているという。

 オープンソースの潮流は着実に広がっている。その先導役ともいえるのがレッドハット。オープンソースの広がりとともに、同社が果たす役割はますます大きくなっているようだ。

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