自社ノウハウを生かしまずは生保業界に展開。三井生命、明治安田生命が先行導入
キヤノンMJ、Salesforceベースの法人営業支援システム発売
2015年10月21日 13時00分更新
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は10月21日、Salesforceクラウドをベースに、独自の機能やソリューションを付加した法人営業支援システムの提供開始を発表した。まずは生命保険会社の法人営業部門をターゲットとしており、すでに三井生命保険、明治安田生命保険が先行導入している。
キヤノンMJグループでは、2004年からユーザー企業としてSalesforceを営業支援システム(CRM)として活用、現在はグループ全体で約1万ユーザーが利用しているという。また、2008年にSalesforceライセンス販売代理店としてのパートナー契約を締結。キヤノンITソリューションズも含むグループ総計で、およそ60名の認定コンサルタント/認定アドミニストレーターを抱える。
今回のシステムでは、営業チーム内における顧客営業活動の計画から制約までのプロセスの可視化と情報一元化の仕組みを提供する。具体的には、キヤノンMJ自身の法人向け営業活動で培ってきたノウハウを生かし、基幹システムともデータ連携したSalesforce上に、法人情報から営業活動情報、顧客情報、引継情報を集約し、営業チーム内で共有することで、営業活動の効率化や最大化を図る。
キヤノンMJ独自の付加機能として、同社が提供するクラウド帳票印刷サービスとの連携(顧客情報の帳票化)や、オフィス複合機/スキャナーと名刺管理システムとの連携といった機能を提供する。また、キヤノンMJの営業部門が利用している顧客担当者情報の一覧「人脈マップ」の作成機能も提供できる。
さらに、キヤノンMJ自身のユーザーとしての導入経験に基づき、導入前のコンサルティングから個別設定/カスタマイズ、移行支援、社内での利用定着化の支援、管理者/ユーザー向けトレーニングといったサービスも展開していく。
まずは保険会社がターゲット、将来は他業界への横展開も狙う
キヤノンMJではまず、保険会社の法人営業部門をターゲットに販売を展開していく方針。企業などに「団体保険」を販売する法人向け保険営業では、個人向けの保険営業と比べると営業支援システムの導入や活用が遅れているためだ。
キヤノンMJで大手金融機関を担当する金融営業本部は、2008年に法人営業支援ツールとしてSalesforceを導入。外出先からも活用できるよう、営業社員にはiPhoneも配布している。グループ内では、中小企業を主な営業対象とするキヤノンシステムアンドサポートが、Salesforceの活用によって「営業訪問件数を4割、顧客数を2年間で6割増加させた」という。
今回のシステムは、すでに三井生命や明治安田生命の法人営業部門で先行導入されている。三井生命では約5カ月間、明治安田生命では約6カ月間で、同システムの開発と導入を実現した。
明治安田生命の場合、営業活動に必要な情報を基幹システムからSalesforceに自動連携させ、企業/営業活動/契約に関する情報を一元管理する仕組みを構築した。前述したキヤノンMJの人脈マップをカスタマイズした「組織マップ機能」や、営業活動報告にインサイダー情報が含まれていないかどうかをモニタリングする「禁止文言チェック機能」なども実装したとしている。
また、同システムは業界を問わず法人営業支援に活用できることから、キヤノンMJでは今後、他業界への横展開も狙っていく方針。さらに、営業支援システムの導入をきっかけとして、同じSalesforceプラットフォーム上で稼働するその他の業務システムの提案にもつなげていきたいとしている。