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NVIDIAと組んだアユートの森田氏、自作PCの改造にかける意気込みを語る

2015年10月03日 17時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

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これからのはじめるMod PCとProject M

――意外とみんな、こうしてみたいなーって思っていると思うんですが、何かアドバイスはありますか?

【森田】 きっかけですよね。部屋にあるものを見て、それにPCが入ると思ったら、まず分解してみる。カッターとドライバーでなんとかしてみるくらいからスタートするといいです。そのときに最新のパーツを使う必要はなくて、自作PCをしていたら、だいたいパーツが余っているから、それでやってみる、ですかね。GT-R PCのときみたいにビデオカードを壊しちゃう可能性もあるし。

――無理そうなところは業者を探してもよさそうですね。最近は、個人でも加工依頼をしやすくなっていますし。

【森田】 無理な部分は業者がいいですね。シャーシはとくに大変だと思います。マザーボードの固定はホットボンドを使う手もあるけど、トライ&エラーで(笑)。それに最初は品質を重視せず、動けばいいなくらいで。中身がごちゃごちゃでも、選んだケース候補で、PCとして動いたらうれしいじゃないですか。

切ったり貼ったり、穴をあけたり色を塗ったりするのは楽しいです、失敗も笑って、けがには注意して作ってください!

――それでもパーツがケースに収まらないときは多々あると思うんですが、そこはどうすれば?

【森田】 まずはスペックの妥協ですね。ローエンドのビデオカードならば入るかもしれないし、見た目重視で入りそうなものを探すとか。これはCPUクーラーや電源でも同じですね。規格でサイズが決まっているものからスペースを考えていくといいです。ま、日曜大工感覚で気軽にやるのが一番です。自分で使うだけなら、いろいろ妥協できるじゃあないですか。

――森田さんが手掛けるProject Mですが、最近、何か考えていますか? 以前のゴミ箱PC用キットは、記事で作りましたが、とても楽しかったです。

Mac Pro風のPCが作れる「ProフレームKIT」。Project Mで森田氏が手がけた製品だ

【森田】 プラスティックのマザーボード固定用の土台は作ってもいいかもしれないですね。あれ、いま単品でないんですよ。アイネックスさんのネジセットの中にしかなくて。あとはゴミ箱PCのフレームみたいなものは、またやりたいですね。

――Mod PCユーザー向けのパーツセットもあるとうれしい人は多そうですね。

【森田】 そうですね。検証台(まな板)の1歩手前みたいなもので、あとはボンドで固定するだけみたいなものとか、金属のカットは大変だから、そのあたりを回避できる板だとか、いろいろ考えられますね。Project Mは隙間産業なので、そういうのは得意です。

――さて、だいぶ時間が経っていますが、X68000ケースはどうなっているんでしょう?

鋭意製作中のX68000ケース。シャープの名機が現代に蘇る!

【森田】 あとはフロントと基板ですね。フロント部分をアルミのインゴット削り出しにしてみたら、単価がすごく高くなってしまったので、どうしようかなと。スロットインの光学ドライブを使う人も少ないから、代わりにビデオカードが入るようにしたいですね。

――発売時期はいつごろでしょう?

【森田】 まだ未定です。いまは価格が10万いかないくらいなので、それだと厳しいから、価格を抑えるために苦戦しています。5万円以下にもっていけたらいいですね。カラー黒とグレーがありますが、おそらく製品化の際には黒のみになります。

――フロントはUSB 3.0になります?

【森田】 基板が高いのと、ノイズが問題ですね。なのでUSB 2.0のほうがいいかなと。価格よりはノイズのほうが大きいです。

――ビデオカードは何mmまで入りますか?

【森田】 200mmまではいけますね。ただ設計してて後から気がついたんですが、いまのままだとビデオカードのファンが内側を向いちゃうんですね。つまりサイドパネルから放熱できない。このあたりの解決策は、いずれお知らせできると思います。

――斜めにビデオカードを置けたら、もっとカード長稼げますよね。あと2枚入れられそうだし。

【森田】 そういうのもいいですね! あ、でも2枚差しは難しい。miniーITXだとPCI Expressスロットが2つないし、それを動かす強力なSFX電源もないですね。サーバー用ならあるけど、ドライヤーみたいにブォーって音の出る電源は、みんな嫌がりそう(笑)。

――GeFoce Garageでの活動はこれからも続けていくんですか?

【森田】 はい。GeFoce Garageは、海外ですごくウケているそうです。海外のMod PCは水冷ユニットを使ったものが主流で、液体を緑に光らせるとかに注力しています。ところが日本のMod PCは、ケース自体の改造が盛んなんですね。それは私の得意分野なので、これからも続けていきます。

元々のきっかけはお店の宣伝というのもありましたが、やはり自作パソコンは作る楽しみも重要だと思うんですよね。

またあいつ変なの作ってるなーと笑って楽しんでもらえれるような、さらには自分ならもっとうまく作れるとMOD PCを作るひとが増えてくれればと思っています

【森田】 GeFoce Garageは、自作に興味をもってもらおうという主旨のコンテンツなので、ノウハウについても掲載されています。英語なんですけど、CPUだとかDriverとかって単語で追えるので、インプレッションを得るために見てもいいかもですね。

――自作する過程を楽しむっていうのは、今は希薄になっているので、GeFoce Garageの取り組みは応援したいです。

【NVIDIA広報】 自作を楽しんでほしいですし、自作から離れている人に戻ってきてほしいので、NVIDIAの製品に限らずパーツはなんでもOKで、まず市場を広げたいですね。もちろん、NVIDIAを使ってくれたらうれしいです。

【森田】 Mod PCは、市販品と見た目が違うし、1度でも自作PCを組んだことがあれば、思いっきり楽しめると思います。さっきもいいましたけど、部屋を眺めて、これにPC入ったらおもいろいかもと思ったらトライしてみてください。そしてSNSで自慢しちゃってください。

【森田】 最後にですが、Mod PC第3弾はあります! いま頑張ってます!! もうちょっと待っててください!!

――楽しみにしています!!

 というわけで、ゆるふわな雰囲気のわりにあちこち急に自作野郎特有の濃さがにじみ出るインタビューだった。

 Mod PCは見た目のインパクトが強烈なものばかりが注目されるが、森田氏が述べているように、なんとなくPC一式が入りそうなものからトライでも十分楽しい。極端にいえば、段ボールでケースを作るだけでもいい。

 本記事を読んで、あら、Mod PC楽しそうと思ったのなら、いっちょトライしてもらいたい。長らく自作PCから離れているのであれば、懐かしさとともに自作の楽しさを思い出せるハズだ。

【関連サイト】

【取材協力】

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