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顧客中心の“IoC”を、セールスフォース「Dreamforce 2015」レポート 第2回

関係を強めるSFDCとMS、「Dreamforce 2015」基調講演レポート

「MSの3つの野心」ナデラCEOがセールスフォース講演で語る

2015年09月18日 14時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 米セールスフォース・ドットコムが開催している「Dreamforce 2015」の初日の基調講演で、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが登壇した。

米マイクロソフトのサティア・ナデラCEO

関係を強めるセールスフォースとマイクロソフト

 セールスフォース・ドットコムとマイクロソフトは、2014年10月に戦略的提携を発表し、それ以降セールスフォースのCRMソリューションとマイクロソフトのOfficeやWindowsの連携を強めてきた経緯がある。さらに、今回のDreamforce 2015では「Salesforce App for Outlook」などを発表。新たなユーザーインターフェースである「Salesforce Lightning Experience」を「Skype for Business」に統合することも発表されており、両社はその関係をさらに強めている。

 基調講演では、まず米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEOが「私はここ数年で、サティアと親友になった。すばらしい人間であり、すばらしいビジョンを持っている」とナデラ氏を紹介(関連記事)。そのうえで、雑誌「WIRED」のシニアライターであるジョシー・ヘンペル氏とナデラ氏の対談が進められた。

ナデラ氏と、雑誌「WIRED」のシニアライターであるジョシー・ヘンペル氏との対談形式で進められた

 ヘンペル氏はまず、「2年前には、ここにマイクロソフトのCEOがいるということは考えられなかったのではないか」と、マイクロソフトの変化を指摘した。それに対しナデラ氏は、マイクロソフトとしての現在のビジョンは次のようなものだと説明した。

 「なぜ、マイクロソフトが存在しているのか。それは、地球上のすべての人に、いろんなことを達成してもらいたいということに尽きる。私はそのための仕事をしている。マイクロソフトが大切にしているのは、前の日よりも、今日の方が、個人や会社が良くなるということ。それがマイクロソフトの文化である。そのためには、よく人の話を聞いて実行することが大切である」(ナデラ氏)

 また、マイクロソフトが192カ国でビジネスを展開していること、さまざまな国において事業を行うには「多様性」が重要であり、多様性はマイクロソフトを構成する要素として重要であることを示した。

マイクロソフトの「3つの野心」、Windows 10を中心に

 マイクロソフトでは「3つの野心」を掲げている、とナデラCEOは言う。それは「プロダクティビティとビジネスプロセスの改革」、「インテリジェントなクラウドプラットフォームの構築」、「パーソナルコンピューティング」の3つである。

 1つめのプロダクティビティは、ビジネスの仕組みを作り直すものであり、マイクロソフトのアイデンティティを示す“鍵”だとナデラ氏。

 「我々はプラットフォームの会社であり、成功のためにはセールスフォースやワークディなどあらゆる企業とのパートナーシップが大変重要である。一方で、フェイスブックもグーグル、オラクルも、皆Windowsを使っており、Windowsがなければ存在しない会社であった。競合他社が、我々のプラットフォームを土台に成功するといったことが起きている」(ナデラ氏)

 さらに、マイクロソフトのモバイルプラットフォーム戦略についても、登場したばかりのWindows 10に絡めて説明した。

 「あるひとつの(一種類の)デバイスがモビリティ市場を独占するということはない。かつてはPCだったが、現在はスマホ、今後はウェアラブルデバイスへと移り変わっていく。つまり、大切なのはデバイスではなく『モビリティという経験』である。Windows 10はモビリティを前提にデザインされており、ひとつのデバイスに縛られることなくどんなデバイスでも仕事ができること、それがプラットフォーム化していることが特徴だ。そのため、企業の生産性を高めることができる」(ナデラ氏)

 ここでナデラCEOは、自らデモストレーションを行ってみせた。最近のマイクロソフト主催のイベントでは、自らデモストレーションを行うことがないナデラCEOだが、「これは私のiPhoneではないが……この中にはマイクロソフトのOfficeアプリがすべて入っているので“iPhone Pro”と呼ぼう」などとジョークを飛ばして会場を沸かせながら、iPhoneおよびWindows搭載スマホ、Surfaceを利用して、正式発表間近の「Office 2016」などをデモストレーションをした。

自らデモストレーションを行うナデラCEO

Windows搭載スマホや“iPhone Pro”を使ってデモンストレーション

 「Delve」というアプリでは、1日のうち会議に使っている時間や顧客と会っている時間など、個人の時間の使い方を分析できる。これを活用すればより生産性が高く、効率的な仕事の仕方へとつなげることができると説明した。

「Delve」アプリでは、1日のうちで会議に使っている時間や顧客と会っている時間などを分析

(→次ページ、機械学習やコルタナアナリティクス、Holorensもナデラ氏自らデモ

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