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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第200回

ワイヤレスで撮影写真を転送できる「Eye-Fi Mobi Pro」を活用する技

2015年07月29日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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Wi-Fiルーター経由で直接クラウドに写真をアップロードする

 Wi-Fiを切り替える手間があり、画面の小さいスマホではなく、PCで撮影した写真を受信することもできる。その場合は「Eyefi Mobiデスクトップアプリ」を利用する。スマホと同様に、撮影した写真をWi-Fi接続で取り込むことが可能だ。スマホと違って賢いのは、Wi-Fiを手動で切り替える必要がない点。撮影したら自動で写真の転送がはじまる。その間はネットに接続できないが、終了するとネットが自動で使えるようになる。

 また、取り込んだ写真は自動的にクラウドにもアップロードされ、ほかの端末で閲覧することもできる。「Eye-Fi Mobi Pro」をスマホやPCと接続せず、Wi-Fiルーターに直接つなぐこともできる。ただし、この方法だと端末で写真を閲覧できるようになるまで、数分かかることがある。撮影直後に写りを確認したり、写真をSNSに投稿するような場合は、Wi-Fiで直接接続するほうがいいだろう。

「Eyefi Mobiデスクトップアプリ」をインストールする

「Eyefiクラウド」のアカウントでログインする。初回は「使ってみましょう」をクリックする

ログインできたら「次へ」をクリックして画面を閉じる

撮影すると、「ピクチャ」フォルダーに作成された「Eye-Fi写真」や「Eye-Fi RAW」フォルダーに自動転送される

高度な設定を行なう場合は「Eye-Fi Mobi Pro」を付属のSDカードリーダーに装着し、PCに接続する

タスクトレイの「Eyefi Mobiデスクトップアプリ」のアイコンをクリックし、オプションを開く。ウィンドウが開いたら、「Mobi」カードタブの高度な設定を開く

接続するWi-Fiルーターを選択し、暗号化キーを入力する

ネットワークが追加された

カメラで撮影すると、クラウド経由で「Eyefi Mobiデスクトップアプリ」に写真が同期される

RAWデータを転送することもできる

 Eye-Fi MobiシリーズのProはRAWデータに対応しているのがウリ。ハイアマチュアやプロでは助かる機能だ。RAWデータはPCに転送する際、JPEG画像とは異なるフォルダーに保存されるので注意しよう。

「Eye-Fi MobiPRO」の「高度な設定」を開き、「Mobiカード」タブで「RAW転送」をオンにする

「Eye-Fi RAW」フォルダーにファイルが転送される

写真を選択して転送する

 写真を撮りまくって、その中の1枚を使うといったケースもあるだろう。そんな時、すべての写真を転送していると、帯域やストレージの無駄になってしまう。特に、スマホだと空き容量が足りなくなることもある。そんな時は、写真を選択して転送することもできる。撮影したらカメラの機能で再生し、写真の「保護」(プロテクト)をオンにすればいい。保護した写真だけが、一定間隔で転送されるようになるのだ。

「Eye-Fi Mobi Pro」の「高度な設定」を開き、「Mobiカード」タブで「選択転送」をオンにする

カメラの再生モードで、写真を「保護」(プロテクト)する

複数撮影しても、保護した写真だけが転送される

Eye-Fiは必須アイテムだがモデル選びは悩みどころ

 現在「Eye-Fi」シリーズは6モデルがラインナップ。今回紹介したMobi Proとコンパクトフラッシュタイプ、そして通常タイプが4GB~32GBまで4種類。機能ではもちろん、最上位タイプのMobi Proが一番充実している。RAWファイルの転送やWi-Fiルーターへの接続、選択転送などを利用したいなら、迷わず「Mobi Pro」だ。しかし、9000円前後となかなか高い。「Eye-Fi Mobi 4GB」なら2500円前後で済む。

 もう一つの違いは、「Eye-Fiクラウド」の利用期間。通常タイプは4GBが30日間、8~32GBが90日間の利用期間が付いている。一方、Mobi Proはなんと1年間も利用できる。「Eye-Fiクラウド」の利用料金は年額5000円だから、コスパは納得できる。「Eye-Fiクラウド」はEye-Fiと便利に同期できるうえ、容量無制限で保存できるのが特徴。すでに撮影済みの手持ちの写真をアップロードすることもできる。

 とは言え「第196回 無料で写真を無制限に保存できる『Googleフォト』を活用する技」で紹介したように「Googleフォト」が無料ということを考えると、フォトストレージに5000円というのはちょっと高く感じる人もいるだろう。

 しかし、別に来年以降「Eye-Fiクラウド」を更新しなければならないわけではない。筆者としては「Eye-Fiクラウド」の利用権なしのバージョンを用意してくれれば気持ちいいのだが、Wi-Fi機能を搭載していないデジイチを使いまくるユーザーなら「Eye-Fi Mobi Pro」は単体で1万円と言われても十分に納得できる製品。一度ワイヤレス転送の快適さを体感してほしい。もうケーブル接続には戻れなくなること請け合いだ。

「Eye-Fi」シリーズはMobi Proをトップに6ラインナップ。どれを選ぶかは悩みどころだ


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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