画期的すぎて認められなかった製品もあった
―― な、なんですか、DT-4って?
肥後 あったんですよ、画期的すぎて認められなかったチューナーが。
市川 あれ杉原さんとの初めての仕事でしたよね? 新しいことをやろうとして、なぜかこう、あんまり……。
肥後 そうなんですよねえ。
杉原 最近は個性的な表示の製品の人気も高いけど、当時はまだそこまでいってなかったんだと思うよ。
市川 まだYouTubeも普及してなかったんで、ユーザーにおもしろさは伝わりにくかったかも。途中から動画も作るようになったんですが。で、こんなチューナーです。
―― あーっ、これ! 昨日、友達がライブで使ってましたよ。何これかっこいいじゃんって、写真撮ったんですけど。クルクル回ってチューニングが合う。友達もすごい気に入ってるって言ってました。
市川 ああ、ぜひ、よろしくお伝えください!
杉原 あれ、チューニングするのすごい気持よかったんですよ。まだ探せばあるところもあるみたいなんで、ぜひ使ってみてください。
肥後 弾いた瞬間に止まれば合ってるみたいな。残念ながら当時はあまり受け入れてもらえませんでしたね。ちょっと早かったんですかね。
―― うーん、早かったんでしょうね。チューナーも楽器と同じで、慣れたものを長く使い続けたいんですが、モデルサイクルが結構短いですよね。
近藤 長く売っているものは、結構長く売ってますよ。DT-10は10年を超えていますし、OT-120も長いです。スタンダードとして世の中に普及したものは長く作っていますが、クリップチューナーのように技術的改善の余地があるものは、新しい商品が生まれているのかなと思います。
(次ページでは、「チューナーの未来像を聞く」)
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