続々と発売が始まった今年の夏モデル。どの機種も過去最高のスペックばかりだが、そのなかであえて“最強スペック”のスマホとなると、ARROWS NX、Xperia Z4、Galaxy S6 edgeは有力候補なるだろう。ではそんな3機種のなかで真の最強は? まずはスペックと料金を比較する。
オクタコアは当たり前
スペックが超高い夏モデルの3機種
夏モデル最強をテーマに集めたのは「ARROWS NX」「Xperia Z4」「Galaxy S6 edge」の3機種。ARROWS NXはドコモのみで、Xperia Z4とGalaxy S6 edgeは3キャリアから発売されているが、それぞれau版とソフトバンク版を今回は用いている。
それぞれ発表会前後から大きな話題になった機種だが、あらためて簡単に紹介する。
●ドコモ「ARROWS NX F-04G」
もともと指紋認証をはじめセキュリティー機能を充実させてきた富士通だが、このモデルでついに画面を見つめるだけでロックが解除できる「虹彩認証」を採用した。5.2型WQHD液晶やSnapdragon 810搭載、防水・防塵対応など、そのほかのスペックももちろん最強クラスだ。
●au「Xperia Z4 SOV31」
人気のXperiaらしいデザインはさらに洗練され、電源キーをはじめ細部にまでこだわりが見られる。もともと定評あるカメラも、インカメラも510万画素と自撮りへと本格的に力を入れてきた。ドコモ/ソフトバンク版もほぼ同スペックだ。
●ソフトバンク「Galaxy S6 edge」
左右側面が曲面の「デュアルエッジスクリーン」を実現。おかげで本体サイズは他の2機種とほぼ同等なのに、持ってみると一回り小さく感じる。5.1型WQHD解像度の有機ELに加え、サムスン製のオクタコアCPUを搭載する。こちらもドコモ/auから購入可能だ。
3機種ともスペックについては過去最高クラスの性能となっている。まとめると以下のとおりとなる。
ドコモ 「ARROWS NX F-04G」 |
au 「Xperia Z4 SOV31」 |
ソフトバンク 「Galaxy S6 edge」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | 富士通 | ソニーモバイル | サムスン電子 |
本体サイズ | 約70×146×8.8mm | 約72×146×6.9mm | 約70×142×7mm |
重量 | 約155g | 約144g | 約132g |
画面サイズ | 5.2型 | 5.2型 | 5.1型 |
画面解像度 | 1440×2560ドット | 1080×1920ドット | 1440×2560ドット |
OS | Android 5.0.2 | Android 5.0.2 | Android 5.0.2 |
CPU |
オクタコア 2GHz+1.5GHz |
オクタコア 2GHz+1.5GHz |
オクタコア 2.1GHz+1.5GHz |
ROM/RAM | 32GB/3GB | 32GB/3GB | 32/64GB/3GB |
メモリーカード | microSDXC(128GB) | microSDXC(128GB) | × |
下り最大通信速度 | 225Mbps | 225Mbps | 187.5Mbps |
4G対応周波数 |
2GHz/1.7GHz /1.5GHz/800MHz /700GHz |
2.5GHz(WiMAX 2+) /2GHz/800MHz /700GHz |
2.5GHz(AXGP) /2GHz/1.7GHz /900MHz |
キャリアアグリゲーション | ○ | ○ | ○ |
VoLTE | ○ | ○ | △ |
連続通話時間 | 1200分 | 1280分 | 1470分(3G) |
無線LAN |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
テザリング | ○ | ○ | ○ |
カメラ画素数 | 2150万画素 | 2070万画素 | 1610万画素 |
インカメラ | 240万画素 | 510万画素 | 500万画素 |
防水/防塵 |
IPX5/ IPX8/IP6X |
IPX5/ IPX8/IP6X |
×/× |
ワンセグ連続視聴 | 7時間10分 | 9時間 | 8時間20分 |
フルセグ連続視聴 | 4時間40分 | 6時間40分 | 5時間10分 |
FeliCa | ○ | ○ | ○ |
赤外線通信 | ○ | × | × |
NFC | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
MHL(HDMI) | ○ | ○ | × |
Miracast | ○ | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー容量 | 3120mAh | 2930mAh | 2600mAh |
Qi | × | × | ○ |
カラバリ | Iris Green、Black、White | ホワイト、ブラック、カッパー、アクアグリーン | ゴールド、ブラック、グリーン、ホワイト |
ディスプレーは3機種とも5型を超えているが、Xperia Z4のみ解像度がフルHD止まり。ARROWS NXは重く、Galaxy S6 edgeは軽め(ただし防水・防塵非対応)。そのため持ったときの印象はARROWS NXは大ぶり、Galaxy S6 edgeは軽量でコンパクトに感じる。
3機種ともAndroid 5.0、オクタコアのCPU、内蔵メモリーも3GBと豪華な数字が並ぶ。ただしGalaxy S6 edgeのみ外部のメモリーカードに対応していない。その代わりか内蔵ストレージが64GBのモデルも用意されている。
通信速度については、数値上の差はあるが、基本的に各社の最新ネットワークに対応している。最大通信速度はいずれもFD-LTE+キャリアアグリゲーション(CA)によるものだが、ソフトバンクのみ下り187.5Mbpsで、8月以降の対応予定(現在の最大通信速度はAXGP+CAによる最大165Mbps)。音声通話をLTEで行うVoLTEも夏以降対応なので表では△とした(3GでのHD Voiceには対応)。
カメラの画素数についてはARROWS NXが2150万画素、Xperia Z4が2070万画素、Galaxy S6 edgeが1600万画素と大きな数字が並ぶが、Xperia Z4とGalaxy S6 edgeはインカメラの性能も高い。
防水・防塵では非対応のGalaxy S6 edgeが脱落。ワンセグ/フルセグの連続視聴時間を見ると、Xperia Z4がスタミナで有利に見える。ただしバッテリー容量ではARROWS NXのほうが大きい。
赤外線通信を見るとARROWS NXのみが対応。LINEの普及などで、使われる機会も減っているかもしれないが……。また最後にGalaxy S6 edgeがワイヤレス充電のQiに対応。国内では対応機種が減った今になって、海外では普及が進んできた感がある。
さてスペックを見た印象では、トップはARROWS NX。インカメラやテレビの視聴時間で「?」と思う要素はあるものの、表の上で×が付いたのは、Qiだけというのはインパクトがある。
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