仮想化、サーバー統合の動きが加速
しかし、日本マイクロソフトによると、Windows Server 2003からの移行は着実に進んでいるとする。
IDC Japanの調べでも、2014年12月時点のWindows Server 2003の稼働台数は21万台だったものが、2015年3月末の時点では約14万台にまで減少しており、新たなOS環境への移行に伴い、サーバーの入れ替えも進展したはずである。それなのに、サーバーの出荷台数は前年割れという状況なのだ。
では、Windows Server 2003からの置き換えが進みながらも、サーバーの出荷台数が前年割れとなった理由はなんなのか。
その背景には、仮想化やサーバー統合が予想以上に進展していることが挙げられる。
JEITAの調査によると、Windowsを搭載したIAサーバーの場合、23%が仮想化用途で利用されており、物理サーバー1台あたりの仮想OS稼働台数は8.2台。前年度の調査では、物理サーバー1台あたりの仮想OS稼働台数が4台であったことに比べると、急速な勢いで増加していることがわかる。
また、Windows Server 2003から単純リプレースを行う企業は80%を占めたが、そのうち約6割が「仮想化あり」と回答している。これも最新のWindows Server環境への移行において、サーバーの出荷台数が減少する要因になっていることを示している。
同協会の調べによると、仮想化は64%の企業で実施されているほか、サーバー統合は69%の企業で実施。また、仮想化システムに望まれるサーバーとしては、高機能なラック型サーバーや、ブレード型サーバーが挙げられている。
2014年度のIAサーバー全体の出荷台数は前年割れとなったが、300万円以上の高価格帯のIAサーバーは、前年比53%増と約1.5倍に増加。これも仮想化やサーバー統合の動きが進展していることを裏づける。
また、日本マイクロソフトでは、「Windows Server 2003のサポート終了に伴い、仮想化やクラウドの需要が喚起されると想定していた。実際、仮想化に伴う大型サーバーおよびクラウドビジネスの需要が拡大している」と語る。
日本マイクロソフトでは、7月15日のサポート終了時点まで、Windows Server 2003を搭載したサーバーの台数を約5万台まで減少させる考えだが、それが、そのままサーバーの出荷台数の増加にはつながらないのは確かなようだ。
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