ある年齢層以上の新しモノ好きや、昔をまったく知らない若者でも、知識や経験に関係なく強く惹かれるプロダクトというものが世の中には存在するものだ。
その一つが“ポラロイドのインスタントカメラ”だ。筆者は現役バリバリ時代にそのカメラの存在は知っていたが、実際に購入したのは、ノスタルジーをかき立てられたここ10年ほどのことだ。
「チェキ」などのトイカメラのブームに乗って、ポラロイドのインスタントカメラの人気もウナギ……とまでは行かなくても、そこそこ上り調子だ。
一度は倒産したイーストコーストのエリート企業であるポラロイドにスポンサーが現われ、昨今は伝統の特殊なフィルムも再生産がはじまっているようだ。
そんなポラロイドが、スマホカメラの普及によって写真共有サイトとして人気の「Instagram」へのオマージュかと思えるような、同社のアイコンそっくりのプリンタ内蔵インスタントデジタルカメラを発売した。
ポラロイドは過去にも、プリンタ内蔵のデジカメ「Z2300」を発売しており、本連載でも2012年9月に紹介している(関連記事)。
ポラロイドカメラと言えば、まずあまりにも有名な折りたたみ式の「ランドカメラ」、そしてそれをアフォーダブルな形で再定義した「ワンステップ」モデルが有名だ。
今回衝動買いした「Socialmatic」(ソーシャルマチック)は、ワンステップを正面から見たイメージに、Instagramのアイコンイメージをダブらせたような、好感度の高い愛らしいデザインだ。
インクを使わないプリンターを内蔵する
ポラロイドのSocialmaticカメラ
Socialmaticの基本構造は「Galaxy Camera」や昨今ならパナソニックの「Lumix CM1」と同じ、Androidをベースとしたスマートカメラの仲間だ。
最初の電源投入後は、パッと見、日本語環境は提供されていないように見えるが、そのほかの国を細かく見ていくと、ちゃんと日本語もサポートされている。ごく普通のAndroidスマホと同じ初期設定プロセスを行なえば、Socialmaticカメラはすぐに使用できるようになる。
一般的なAndroidスマホと同じように、ウェブアクセスなども可能だ。ただし、液晶タッチパネルのレスポンスがイマイチなのと、ソフトウェアキーボードのサイズが小さいため、文字入力はなかなか大変だ。
本体内部には、特殊紙を用い、インクを一切使用しない「ZINK」(ZeroINK)テクノロジーを採用した小型プリンターが内蔵されている。
印刷後の写真を送り出す排紙口が本体に向かって左側面に用意されており、反対側の右側面には、microSDカードスロットとmicroUSBポート、充電のための専用ACアダプター(12V 3.0A)ポートが用意されている。残念ながらmicroUSBポートはPCとの通信用であり、一般的なUSB充電は不可能だった。
排紙口横のOPENボタンをスライドすれば、液晶画面側のカバーが開き、内蔵プリンターに給紙することができる構造になっている。
次ページへ続く、「最新機種の目玉はソーシャル機能!」
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