プレーヤーとして本当に必要な機能に絞りこんで薄型化
再生機能についてみてみよう。対応フォーマットはPCMが192kHz/32bitまで(ネイティブ再生は24bitまで)と主流のハイレゾ音源はほぼ網羅できる性能。
2.8MHzまでとなるがDSDの再生(88.2kHz/24bitのPCMにリアルタイムで変換)にも対応するので、今後を見据えて購入はDSDにしておきたいという場合でも安心だ。一般的なWAV、FLAC、MP3に加えて、AACやApple Losslessなどにも対応するので、スマホ用にiTunesで楽曲を管理していた場合でもスムースに移行できる。USB DAC機能も持ち、対応形式に対する不足は感じないと思う。
AKシリーズの主な仕様 | ||||
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機種名 | AK Jr | AK240 | AK120II | AK100II |
実売価格 | 7万円弱 | 26.3万円前後 | 18.1万円前後 | 9.9万円前後 |
容量 | 64GB | 256GB | 128GB | 64GB |
DAC | WM8740 | CS4398×2基 | CS4398 | |
microSDスロット | 1基(64GB) | 1基(128GB) | ||
PCM (再生時) |
32bit/192kHz (24bit/192kHz) |
32bit/384kHz (24bit/192kHz) |
||
DSD (再生時) |
2.8MHz (PCM変換: 24bit/88.1kHz) |
5.6MHz (ネイティブ) |
5.6MHz (PCM変換:24bit/176.4kHz) |
|
バランス駆動出力 | ─ | ○(4極φ2.5mm) | ||
Wi-Fi/Bluetooth | ─/○ | ○/○ | ||
USB DAC入力 | PCM: 24bit/96kHz |
PCM: 24bit/192kHz DSD: 5.6MHz |
PCM: 24bit/96kHz DSD: 5.6MHz(24bit/96kHz変換) |
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光デジタル出力 | ─ | ○ | ||
サイズ | 52.9×8.9×117mm | 66×17.5×107mm | 55×14.9×118mm | 55×14.9×111mm |
重量 | 98g | 185g | 177g | 170g |
では、AKシリーズの上位機との違いはどこにあるのかという点について。ひとつは第2世代から標準機能となったバランス駆動に対応しない点がある。OSは組み込みLinuxとなり、Wi-Fi機能をバッサリと削ぎ落としている(Bluetoothには対応)。また、DACチップもシーラス・ロジックのCS4398ではなく、WolfsonのWM8740となっており、第1世代機に近い構成だ。このあたりが主な差別化要素となる。
という感じで、上位機よりはシンプルな構成となっているが、プレーヤーとしての本質的な機能は何かを考えると、あまりデメリットは感じない。考えてみれば、市販のヘッドフォンは基本的に3.5mmのアンバランス接続を想定している。バランス駆動をするためには敢えてリケーブルするなど、こだわりとそれなりの投資が必要。Wi-Fiにしても使わないのであれば、よりシンプルな回路のほうがコスト面でも音質的にもメリットがあるはずだ。
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