最大心拍数は年齢で自動的に決定
もうひとつ考えられる理由は、設定で入力した年齢を元に、心拍ゾーンを自動的に決定している点です。一般的に「220-年齢」が最大心拍数の目安と言われており、Fitbit Charge HRでも、この式で求めた最大心拍数を100%とした運動負荷で、3つのゾーンが自動的に設定されています。
ただ、最大心拍数は一概に年齢で決まるものでもなく、トレーニング次第で変化するものでもあります。最大心拍数が基準値より高ければ、同じ心拍数でも実際の運動負荷は低くなるので、消費カロリーも多めに出る可能性はあります。
消費カロリーの計算は問題なしとしても、Fitbit Charge HRを心拍計としてハードに使いたい方には、最大心拍数の設定が年齢依存というところに難を感じるかもしれません。基礎代謝量の設定に影響することを無視できれば、最大心拍数に合わせて年齢の方を調整すればいいのですが。
自転車アプリ「Strava」との連携も可能に
Fitbit Charge HRのハードは、なかなかの完成度と言えます。確かにバッテリーは5日間、なんとか持ちました。もしかゆさに耐えられるなら、ずっと装着したままでも平気です(私は1日何度かは耐えられなくなりました)。
トレーニング用の本格的な心拍計ほどの性能は必要ないし、歩数から消費カロリーを推測するような、適当な感じの活動量計に納得できないという私のようなタイプの人間には、総じてかなり都合よくできています。
そしてほかのアプリとの連携も含めたソフト面がいまひとつ……という結論を導こうと考えていたのですが、ギリギリになってグッドニュースがひとつ。
Ingressのエージェントの方は、自転車でポータル間を移動される方も多いでしょう。これはサイクリング・ランニング用アプリで有名な「Strava」との連携が可能になったことで、ちょっと良くなりました。
今のところ、Fitbit Charge HRの心拍計を直接Stravaのアプリに接続することはできないようですが、Fitbitアプリで記録した心拍数やルートを含めたログを、Stravaで表示できるようになっています。
走行中の揺れを歩数としてカウントしてしまい、自転車走行区間としてロギングしても、その区間の歩数が差し引かれない問題も、なんとかして欲しいところです。他社製もこの点はダメなんですが、心拍計付きで自転車との親和性が高まったので、この調子でぜひ。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ