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マイクロソフト・トゥディ 第144回

愛媛県のICT活用“囲い込み戦略” - 日本MS 樋口社長・愛媛県 中村知事対談

2015年05月20日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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スマホアプリを活用 - 結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のないワンストップ相談体制

中村 現在、情報技術を活用した子育てアプリの開発を進めています。これは、結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目ない支援を実施するため、スマホアプリを活用して、バーチャル上のワンストップ相談体制を構築し、子育て世帯の不安感や孤立感を解消していくことが狙いとなります。

 愛媛県でも、松山市を中心とした都市部への集中と、核家族化が進み、地域でのコミュニティが希薄になってきています。若いお母さんは、相談相手が少ない。また、近所付き合いがしにくいという状況が生まれています。一人で悩みを抱えてしまうということにもなりかねない。

 現在も、役所には子育て相談のカウンターがありますし、電話で相談に応じるといった仕組みもあります。しかし、若い人たちには役所に行くこと自体敷居が高い。一歩が踏み出せず、また悩んでしまうということの繰り返しだという話も聞きます。

 そこで、若い人たちが難なく使っているスマホやタブレットを活用すれば、少しは敷居が低くなるのではないか。スマホアプリを生かした相談体制を作ることで、相談に一歩踏み出せない人も、踏み出せるのではないかと思うのです。

クラウドを通じて、あらゆるデバイスでサービスを受けられる

樋口 こうした各種支援においては、ICTの技術進化が大きく貢献できると考えています。現在、ICTを取り巻く環境は、デバイスが多様化する一方、センサーによって様々な情報が収集され、IoTの時代を迎えています。それらから発信された情報がクラウドに集約され、インテリジェンスを活用して、リアルタイムで付加価値をつけた情報へと進化します。

 マイクロソフトは、こうしたメガトレンドの動きにあわせて、モバイルファースト、クラウドファーストのビジョンを実現しようと考えています。クラウドを通じて、あらゆるデバイスでサービスを受けられるようになります。子育てアプリも、そうした環境が整ったからこそ実現できるものですね。

 遠隔教育や遠隔治療などは、デバイスとネットワークの発展に伴い、現実化し、より高い利便性を提供できるようになりました。特に、ここ5年ぐらいで大きく進化したのは、音声認識技術ですね。音声認識技術により言語を理解し、リアルタイムで通訳するという環境でできあがってきました。従来はアルゴリズムによって翻訳していたものが、リアルタイムのマッチング技術によって急速に進展したわけです。これからのグローバル化や多くの外国人観光客が訪れる世界の中で、さらに注目を集める技術になるといえますね。

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