ARM系はK12コアを2017年に投入
次に、データセンター向けのロードマップが下の画像である。
前回のロードマップでも説明したとおり、今年はデータセンター向けにはProject Skybridgeという形で、同一ソケット形状でPuma+コアベースの製品とCortex-A57コアベースの製品が投入される予定「だった」。
過去形なのは、このSkybridgeがキャンセルされたからだ。公式には「x86とARMで共通のプラットフォームであることのニーズがなかった」ということだが、それとあわせて伝わってきているのは、20nmプロセスの不調である。
例えばTSMCの20nmは、確かにトランジスタ密度や配線密度は上がるのだが、動作周波数が上がらないうえに省電力の効果もあまりないということで、結局ほとんどの製品が14FF/14FF+に移行している。
これはSamsungも同じで、20nm世代の20LPMを早々と打ち切り(これにあわせてExynos 6も中止となった)、14nm世代に移行を進めている。Samsung Foundary Serviceのページを見ると、“Advanced process technologies”から20LPMが消えているのが確認できるはずだ。
GlobalFoundriesの20nmはこれらと同じものではないため、理論上はTSMCやSamsungがダメでもGlobalFoundriesは大丈夫、という可能性はあるのだが、どうも聞こえてくる限りではGlobalFoundriesもあまり芳しくないようで、少なくともプロセッサーに使うのにはけっこう無理があるらしい。
少なくともSkybridgeのうちx86に関しては完全キャンセルで、ARM版は28nmプロセスを引き続き利用しつつ、現在のOpteron Aシリーズの後継製品をなにかしら投入することになるようだ。
そんなわけで上の画像のロードマップは、仕切りなおした後のものになる。この世代では、x86に関してはZenコア、ARMに関してはARMv8-A準拠のK12コアが搭載された製品が投入されることが改めて明らかになった。
ただ、ZenベースのOpteronや、K12ベースのOpteron、あるいは一緒に並んでいるServer APUのプラットフォームがどうなるのかは現時点では明らかにされていない。
普通に考えると、この世代では旧SeaMicroが開発したFreedom Fabricを採用することになるのだが、インテルのXeon E7グレードのように共有メモリー構成となるマルチプロセッサー環境を構築しようとすると、Freedom Fabricではやや帯域が足りないし、レイテンシーも大きくなる。
問題は、共有メモリー構成のマルチプロセッサー環境がどこまで必要とされるか、ということであるが、4P~8Pはさすがにだいぶ減ってきたものの、2Pに関しては相変わらず広く利用されており、2P専用程度でなにらかの専用I/Fが設けられても不思議ではない。
これに関してはまだ一切詳細が明らかになっていないので、今のところは推察のしようもないのだが、とりあえずZenおよびARMベースのOpteronに関しては、デスクトップ向けとはまったく異なるプラットフォームになるだろうということは想像できる。
逆にServer APUはSocket AM4ベースのままで行きそうな雰囲気が強い。“Transformational Memory Architecture”という文言があるあたりは、DDR3とDDR4の両対応という意味合いであろうし、これはAM4ベースのデスクトップ向けAPUがそのまま使えそうだ。
こちらは処理性能はGPUで稼ぐ方向だろうから、CPUコアはPuma+やExcavatorのままでもさして問題はないだろう。
→次のページヘ続く (Kaveri-RefreshことGodavariを投入予定)
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