Appleイベント「Spring Forward」レポート - 「Apple Watch」編
2015年03月21日 11時00分更新
米Appleは3月9日(米国時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Arts(YBCA)において「March 2015 Special Event」を開催した。事前の予告通り、同スペシャルイベントのメインテーマは来月発売を控えた「Apple Watch」の続報だが、同時に長らく噂に上っていた「12インチでRetina対応の新型MacBook」のお披露目も行われた。後編では、Apple Watchの紹介を中心に採り上げる。
基本は時計とフィットネスバンドの「Apple Watch」
2014年9月のiPhoneイベントでApple初のスマートウォッチ製品として発表された「Apple Watch」だが、当時はまだプレビュー状態で詳細が公開されておらず、発表会場に置かれていたApple Watchのデモ機も来場者は直接触れず、係員が一通りのデモを披露するだけといった状態だった。
同日にはサードパーティにApple Watch向けのアプリを開発するための「WatchKit」提供の発表も行われており、Apple Watchのチューニングと同時に周辺のアプリ開発も進めていくことが示唆されていた。そして半年が経過した現在、ついにApple Watchのその後のアップデートの紹介ならびに、最大の目玉である発売日と価格が公開されることになった。
米Apple CEOのTim Cook氏のスライドによれば、Apple Watchは第5のカテゴリーの製品ということになる。初代iPhoneはMacのコンパニオンデバイスとして、両者セットでの運用が前提だったが、現在では独立運用が可能となり、PCやMacを持たないユーザーであっても独立して利用できるようになっている。
今回発表された初代Apple Watchもまた、当時のiPhoneのようにコンパニオンデバイスとしての性格が強く、各種センサーを搭載してiPhoneよりもさらに多くの場面での活用を想定しつつ、両者が連携してよりきめ細かなサービスを提供できるような仕組みになっている。とはいえ、基本はあくまで“時計”であり、これにiPhoneよりもさらに手軽な対人コミュニケーション機能やフィットネス用途での利用を想定した機能を付与することで、「ちょっと多機能な時計」を演出している。
汎用の液晶ディスプレイを搭載したことで、スキンをさまざまにカスタマイズ可能になっており、通知メッセージと合わせて好きな時計を表示できるようになっている。一般的なデジタル時計やアナログ時計風のものもあれば、高級時計やミッキーマウス時計などさまざまだ。おそらくは、Apple Watchのストアにおける目玉のひとつはこのカスタムスキン配布にあるのではないかと予想できる。
対人コミュニケーションでは、指定した近くの相手にリアルタイムでイラストやメッセージを手書きで送る機能が用意されている。可能性は未知数だが、新しいコミュニケーション手段として使われることになるのだろうか。
そして去年の発表会でもメイントピックとして紹介されていたフィットネス関連の機能も主軸に据えられている。Apple Watchそのものが活動量計となっており、ランニングや心拍などの記録を取りつつ、その達成度やアドバイスをiPhoneやウェブブラウザーを使わずともApple Watchで直接確認が可能だ。
会場には、妊婦や出産を支援するNPO団体「Every Mother Counts」を立ち上げたモデルのChristy Turlington Burns氏が登場し、実際にApple Watchを使って過去数週間ほどトライアルを行ったことを報告した。Every Mother Countsではその活動の認知拡大のためにマラソンでのアピールを行っており、過去数年にわたってTurlington Burns氏の活動拠点であるニューヨークを中心に著名なマラソン大会への出場を行ってきた。
同氏は2月末にタンザニアで開催されたKilimanjaro Half Marathonへの出場にあたり、現地での団体活動やトレーニングの様子を収めたドキュメンタリー映像を作成しており、その模様が会場で紹介された。この映像はApple Watchのページでも確認できる。現在同氏は、4月末にロンドンで開催されるVirgin Money London Marathonに向けた調整を行っており、Apple Watch活用の様子は同ページでの報告でも確認できるので、興味ある方はチェックしてみてほしい。
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