Appleイベント「Spring Forward」レポート - 「Apple Watch」編
2015年03月21日 11時00分更新
「Apple Watch」に、ホテルの部屋の鍵を登録
また興味深いのが、WestinやSheraton、St. Regisなどのホテルブランドを展開するStarwood Hotels and Resortsの会員向けアプリ「spg」だ。当日に時間がくるとオンラインでチェックインができるだけでなく、「部屋の鍵」まで入手できる。ここでApple Watchに部屋の鍵を登録させれば、ロビーのチェックインカウンターに並ばずに、そのままエレベーターに乗って部屋まで直行できるわけで、ホテル利用の多いビジネスマンは重宝するだろう。
こうした仕組みは、過去におサイフケータイやGoogle Walletなどでも模索されていたもので、端末内蔵のセキュアエレメントに部屋や自動車の鍵を記録し、NFCを使って鍵の解除や施錠を行うことが検討されていた。もしApple Watch(iPhone)で同様のことが可能になるアプリが多数登場するなら、ユーザーにとっては非常に喜ばしい話だろう。
ただ、Starwoodが系列のAloftやW Hotelなどですでに展開している「Keyless」サービスはBluetooth Low Energy(BLE)を用いた仕組みであり、Apple Payで利用するNFCアンテナは用いていない。おそらくはBLEをベースにしたiBeaconの到達距離を数センチ程度の極限まで短くし、iPhoneまたはApple Watchをドアノブに(接触するくらい)近付けることで反応するようにしているようだ。
このほかHomeKitの連動例として、Siriを使ってガレージのドアを開閉する様子が紹介された。現在は赤外線などのリモートセンサーを使うことが多いガレージの開閉だが、最近では専用キットが登場してスマートフォンによる遠隔操作に対応するケースもみられる。そこで腕時計を顔の前にかざして音声コマンドで操作を行うわけだが、ちょっと未来的な感じはしないだろうか?
最新の「iOS 8.2」で「Apple Watch」アプリが追加
発表日の3月9日には、iPhone/iPad向けに最新のiOS 8.2の配信が開始されており、これをインストールすると「Apple Watch」アプリが強制追加されるようになっている。一種のApple Watch設定用アプリで、設定管理や(Apple Watch向け)アプリ導入が可能となっている。ちょうどPCやMacでiTunesを使ってiPhone管理を行っているようなものだろう。特に、Apple Watchは画面上の制限もあり、こうした本体とは別の管理インターフェイスが必要になるのだと考えられる。今後は、ペアリング済みiPhoneを母艦代わりとして、Apple Watchを運用していく感じなのかもしれない。なお、ペアリング可能なのは、このiOS 8.2以上を導入したiPhone 5以降のデバイスとなる。
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