GoogleにとってのMVNOとしての事業は
Android端末におけるNexus端末のようなもの!?
これに加えてピチャイ氏は、モデレーターの質問に答える形で、さまざまなメディアで報道されているMVNO事業について語った。
ピチャイ氏ははっきりと「参入」を意味する言葉は使わなかったが、「既存のパートナーと作業を進めており、数ヵ月以内に成果が出るだろう」とした。
同時に強調したのが、Androidのエコシステムアプローチだ。Googleはハードウェアではすでに、OEMパートナーと組んで作成する「Nexus」ブランドの製品を投入している。「(Nexusは)非常に規模は小さいが、進歩を後押ししている」とし、MVNOもこれと同じような位置づけとした。
ピチャイ氏は「ハードウェア、ソフトウェア、接続をすべて考える必要がある」とMVNO参入の意図を説明する。これがオペレーターとの関係にどのような影響を与えるかについては、自社の計画について話をしているとしながら、「米国のキャリアはAndroidを動かしている大きな力であり、現在のモデルにわれわれは満足している」と述べ、大きな脅威になるつもりはないことを示した。
Android Pay、Android One
そしてSamsung、Appleとの関係は!?
Appleが「iPhone 6」で導入したNFC利用のモバイル決済サービス「Apple Pay」がモバイル決済分野を活気づかせており、会期中Samsungも「Samsung Pay」を発表した。
ピチャイ氏は「Android Pay」の可能性について聞かれると、プラットフォーマーとしてのアプローチを強調し、「Android PayはAndroidのAPIレイヤーだ。これを利用して、Android上で決済サービスを構築してAndroid Pay APIに接続できる」と述べた。
Googleは決済サービス「Google Wallet」を展開しているが、Google WalletはAndroid Payを利用するサービスの1つという位置づけとした。Samsung Payについては、Android Payと時間軸が異なるだけで、「必ずしも競合するものではない」とコメントした。
スマートフォン分野のもう1つのトレンドが途上国だ。Googleはここで「Android One」イニシアチブを展開しており、インドで提供が始まった。これについては、「100ドル価格帯にフォーカスしている」としながら、「2年後には50ドルになるだろう」と今後価格を下げていく意向を示した。
ユーザーインターフェイスやサービスでGoogleとSamsungとの衝突が指摘されるが、ピチャイ氏はこの日、前日にSamsungが発表した「GALAXY S6 edge」を手に、「最先端のスマートフォンはどのようなものかを体現した」と高い評価を見せた。
一方でAppleの「iPhone 6」の成功については、「(以前から)大画面になると予想しており、大画面のスマートフォンはよく売れるとわかっていた」としながらも、「モバイルはゼロサムゲームではない。スマートフォン全体にとって素晴らしいことだ」とした。
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