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飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第1回

AuroraはOracle対抗?Code Deployでクラウドの開発現場は変わる?

ISID渥美エバンジェリスト、re:Inventの新サービスにしびれまくるの巻

2014年11月27日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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開発系のサービスが実はすごい!すごすぎる!

TECH大谷:Auroraに隠れがちですが、初日はAWSが社内開発で使っている“Apollo”を「CodeDeploy」として出したり、リポジトリ「CodeCommit」やリリースプロセス管理を行なう「CodePipeline」などを立て続けに出しましたよね。

ISID渥美:開発系もいいですよー。SI業界ではクラウドでインフラの調達が速くなっても、開発が間に合わないじゃんという問題があります。そのために私たちSIerの多くは、開発するコードが少なくてすむ開発基盤や、開発ツールの利用やプロセス改善に取り組んできています。たとえば、コードのリポジトリ管理やデプロイ、本番やテスト、障害対応などのステージ管理を、オープンソースや商用のさまざまなツールを組み合わせて、統合的な開発管理を何年もかけて自前のシステムでやっています。開発作業の周辺では、実に大変な手間とコストがかかっているんです。

TECH大谷:プロジェクトが大きくなると、そういう話が顕在化しますよね。

ISID渥美:お客様に納品するシステムの品質を高めるには、プロダクト品質とプロセス品質が両輪ですよね。前者はソフトウェア自身の品質で、後者は開発工程の仕組みの成熟度。手作業では大変なので、先程話題にした統合的な開発管理のシステムはこれを担うものです。でも、なかなか完全なシステム化は難しいもので、すき間はExcel管理だったりするんですよ。

TECH大谷:ソフトウェア開発の永遠の課題といえるかもしれませんね。

ISID渥美:今年のre:Invent初日の一連の開発系サービスは、まさしくこれを担うものでしょう。AWSは品質の高いソフトウェアをかつてない俊敏さで続々と世の中に提供し続けている。これを支えているAWS社内の開発管理の統合的なシステムを、マネージドサービスで世界中に提供する、ということなんです。これはめちゃシビレますよ。

ローリングアップグレード/デプロイメントが容易かつ確実になる「AWS CodeDeploy」

TECH大谷:とはいえ、最近の商用の開発ツールであれば、そういったライフサイクル管理もできますよね。

ISID渥美:確かに上流から下流までできるツールはあるけど、とにかく高いし、実体は買収した製品のスイートだったり。それに対して、AWSの膨大なソフトウェア開発の現場で叩き出された統合的なシステムだから、今回の開発系の充実はすごい。これまでの商用の開発ツール製品ベンダーは涙目だと思いますよ。

MB得上:私はOpsWorks大丈夫かって心配になりますよ。イマイチはやらなかったし。

ISID渥美:いや、たぶんカバー範囲が違う。ちょっと話は拡がりますけど、たとえばセキュリティというと外部への守りやアクセス制御などがポイントになるけど、システム全体から見るとポリシーどおりに実装されたか、適切に配備されたか、構成変更は大丈夫か、といった一連のプロセスを統合的に管理確認する必要がある。監査まで見据えたエンタープライズの開発のプロセス品質を担うものとしては、今回のツールが初めてじゃないかなあ。

ISID品田:初日の基調講演ですごくアピールしていたのが、「New Normal」というキーワード。要は“新しい常識の世界”に、われわれは移らなければならないというメッセージです。

TECH大谷:なるほどー。じゃあ、IaaSの戦いは終わったってことでしょうかね。

ISID渥美:いやいや。終わるんじゃなくて、主戦場として、もっとすごいことになる。だって、インテルがAmazonのためにCPU作ったんですよ(笑)。IBMがGoogleにPOWERを提供したって話に刺激されたんですかねえ。

まだまだ続く。

飲み屋トーク① re:Inventの醍醐味はスモーカー同士の井戸端会議?

ISID渥美:今回、参加者1万3千人ですよ。日本から400人参加したらしいけどわずか3%。現地で会えない人いっぱいいたよ。

MB得上:でも、スモーカーだけはちゃんと会える(笑)。

ISID品田:そうそう(笑)。タバコ吸う肩身狭い知人つながりグループを勝手に作って、集合場所や吸う場所の情報共有をしてました。ベネチアンは会場の近くで、カジノの中とバスが止まるところの2箇所くらいあるんです。

TECH大谷:チェック済みですねえ(笑)

ISID品田:そこで、スモーカー同士で濃い話が始まる。終わった後にばーっと話すから喫煙トークはけっこう重要。サービスの話で盛り上がったり、並ぶセッションの入り方とか教えてもらった。

ISID渥美:喫煙者の人達はセッションの休憩時は、なんか、すーっとみんないなくなるね。

MB得上:喫煙者同士のつながりやたら強い。セッション終わるたびに行くから、1回目は初めましてだけど、2回目はもう知り合い(笑)。品田さんと最初会ったのも、たぶんカジノのスロットの前。

TECH大谷:次は喫煙場所にテレコ仕掛けとこうかな(笑)。


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