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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第36回

BMS・maimai――独自の生態系をもつ音ゲー動画の世界

現在ニコ動に投稿される動画の1割はmaimaiが占めている

2014年10月23日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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音ゲーはクリエイターが集まる場所でもあった

 また「BMS」「太鼓さん次郎」などのPC用フリーソフトの音ゲーシュミレーターソフトに関する動画が年々増加している傾向が伺えます。

 「BMS」は1998年にBM98というbeatmania風のフリーの音ゲーシミュレーター用フォーマットとして作られたもの。非常に人気が高く、以降も互換シミュレーターが登場して定番のファイルフォーマットとなりました。なお、BMSの考案者は電王戦のトーナメントにも出場していた「やねうらお」氏。

 「BMS」でも初期は既存曲のコピーなどがよく遊ばれていたそうですが、BMS用のオリジナル曲などを作るBMS作家も多数いて、現在では公に配布されているBMS楽曲の多くはそうしたオリジナル曲です。かつてこうしたBMS曲やゲーム中のアニメーション(BGA)を作っていた人々のなかには現在ボカロPや動画作者として有名な方が何人もいます。BMS界隈はニコ動以前にそうしたクリエイターが集まっていた場所の1つでした

 現在でもそうしたオリジナルのBMS曲は発表されており、「BMS」タグではそうした曲の紹介動画もよく投稿されています。

 また「BMS」をはじめとしてフリーの音ゲーシュミレーションソフトはいくつか登場しており、「太鼓さん次郎」「osu!」「stepmania」も同様のソフトです。「BMS」らのこうしたソフトはユーザーが譜面を追加したり手軽にプレイ動画を作ったりできることもあり、楽曲の使用などに権利的な問題のある動画もありますが、最近特に投稿が増えてきているようです。

本家(beatmania)を越える難易度「発狂BMS」の段位認定最高位"overjoy"の課題BMS(2009年時点)。人間がプレイしているのではなく、オートプレイ動画である。クリアできれば人間卒業と言われるが、達成したプレイヤーも10名以上存在する。もちろんいずれもBMSのためのオリジナル曲。なお2013年より段位認定の曲目は更新されている。

今回収集した音ゲー関連動画(maimai動画除く)について多かったタグを順に並べたもの。2014年は10月中旬時点。カテゴリタグは緑、キャラクターに関わるタグは赤、商用の音ゲータイトルのタグは青、フリーの音ゲータイトルのタグは紫、その他のタグは灰色に塗ってある

2014年10月中旬時点で視聴可能な、音ゲーに関連する9タグの年別の投稿動画数。投稿数の多いタグと、近年の投稿数の増加が激しいタグを選んだ。2014年については10月までの数字

 音ゲーはそもそもニコ動との相性が非常に良いゲームジャンルであり、音ゲープレイヤーやBMS作家などからはたくさんの動画投稿者が生まれてきました。

 またVOCALOIDやラブライブ!などのニコ動でも人気の高いキャラクター物の音ゲーは、ある面でキャラクター人気と音ゲープレイヤーの接点となり、音ゲー動画投稿の動きを広げていると思われます。またスクフェスなどスマホ用の音ゲー動画の増加も気になるところです。

 近年は音ゲー側からニコ動への接触も強く、「maimai動画」などは全投稿数の1割まで増加するなど色んな意味でニコ動全体にとって目が離せない動きを見せています。

 特に最近の音ゲー業界の動きは目まぐるしく、2014年10月末より楽曲配信が開始される「天下一音ゲ祭 全国一斉認定大会(PDF注意)」ではコナミデジタルエンタテインメント、セガ、タイトー、バンダイナムコゲームスの4社協力で、4社の楽曲が4社のゲーム筐体で相互プレイできるようになりました。

 さまざまな事情から、音ゲーにおいてこれらメーカーが一堂に会することは難しいのではと噂されていたこともあり、まさに夢の共演といったところです。

 “音楽をゲームする”音ゲーは、単なる観賞とも、カラオケやダンス、歌ってみたなどとも違う、もう1つの音楽の楽しみ方のかたちといえるでしょう。

 ゲーム実況の投稿がカラオケのように当たり前になり、コンテンツ自体を変えていくのではないかという話もありましたが(参考URL)、音楽とゲームを股に掛けるゲームジャンルである音ゲーのプレイ動画のかたちは、カラオケとプレイ動画をつなぐ意味で興味深いところです。

 業界そのものの変化もあり、あるいはBMSなどのオープンな音ゲーの領域も含めて、今後の動きが気になりますね。

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