Office PremiumとOffice 365 Soloの2ライセンスで展開
Office史上最高におトク? クラウド化した新Officeを知る
2014年10月19日 12時00分更新
従来型とクラウドサービスのハイブリッド「Office Premium」
まずは、従来と同様のプレインストール版Office(Office Premium)とクラウドサービス(Office 365)のハイブリッドである「Office Premium プラス Office 365 サービス」(以下、Office Premium)について解説する。
注意しなければいけないのが、このライセンスはOEM向け。つまりSurface Pro 3やメーカー製PCへのプリインストールのみで提供される。プリインストールされていないPCで、今回紹介する最新のOfficeを利用したい場合は「Office 365 Solo」のみが選択肢に上ることになる。
Office Premiumは、Office 2013のWordやExcelをPCにプリインストールしている。そしてPCを使い続ける限り「最新版へのアップデートが可能」という触れ込みになっている。将来的に「Office 2015」のような製品が登場した場合にも無償でアップデート対応する。永続ライセンスなので、従来のOfficeと同じような感覚で使えるだろう。
エディションは「Office Personal Premium」「Office Home & Business Premium」 「Office Professional Premium」の3種類。PowerPointなど含まれるアプリケーションが異なる。このあたりは従来のプレインストール版Officeの形式を踏襲しているため、分かりやすいだろう。アプリについては以下の表を参照してほしい。
各エディションで利用できるアプリ一覧 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
デスクトップアプリ | Word | Excel | Outlook | PowerPoint | OneNote | Publisher | Access |
Office Personal Premium | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
Office Home & Business Premium | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
Office Professional Premium | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
クラウドサービスが付属し、マルチデバイスで利用できる
Office Premiumが、従来のプレインストール版Officeと大きく異なるのは、クラウド型の「Office 365 サービス」も使える点だ。あらかじめ1年間有効ライセンスを付属しており、容量1TBのクラウドストレージ「OneDrive」、Office Mobileとの連携によるマルチデバイス対応(iPhone/Android用、Office for iPadも年内に提供される予定)、Skype月間60分無料通話(公衆回線向け)、無償テクニカルサポートと、4つのサービスが提供される。
プリインストールのデスクトップアプリはPCを使い続ける限りずっと、さらにこれら4つの機能も1年間は無料で使えるのだから、ユーザーにとってデメリットはほぼなく、利便性もこれまでより高くなったと言えそうだ。
特にマルチデバイスへの対応は注目。すべての端末で商用利用が可能となっている。台数制限はiPadのみ2台まで。複数台のモバイル端末から自由にOfficeへアクセスできる環境が整ったことにより、Officeの使い方そのものに大きな変化が起こりそうだ。
Office 365のサービス部分を2年目以降も利用したい場合は、別途6264円で1年ごとのライセンス(「Office 365サービス(Office Premium搭載パソコン専用)」)を買い足す必要がある。ちなみに単体で販売するOffice 365 Soloの価格は1万2744円と、ほぼ倍の金額だ。近年はPCの買い替えサイクルが伸びていることもあり、長期的にクラウドサービスを利用する場合、Office Premium搭載PCを購入しておくほうが結果的には安く済むかもしれない。
要約すると……
買ったマシンでずっと使える“プリインストール版のOffice”に、1年間無料で使える“クラウドサービス”を追加したのが、Office Premium。これまでのように1台のPCでデスクトップアプリのみを使用してもいいが、スマホやWindowsタブレットなど、マルチデバイスで使い方を広げてもいい。使い勝手を維持しつつ選択肢も広げているので、ユーザーとしては非常に歓迎できるライセンス形態だと言えるだろう。
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