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日本のITを変える「AWS侍」に聞く 第7回

ブログは10年間で2000ポスト!ベテランだからこそのノウハウを聞いた

JAWSを工場で作りたい!AWSエバンジェリストのコミュニティ論

2014年10月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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エバンジェリストから見たコミュニティとは?

ASCII.jp大谷:ジェフさんはエバンジェリストとして、ユーザーグループに深く関わっていますね。

バー氏:ユーザーグループはAWSにもっとも詳しく、熱意も思い入れも深い。クラウドの可能性を伝えるために、ユーザーグループは、われわれにとってもっとも重要な資産だ。

日本のJAWS-UGには、2010年に初めて登壇したが、あれから4年で日本全国48支部にまで伸びた。昨夜もJAWS-UGの会合に参加し、ここ数年どういうサービスが面白かったかを発表した。2010年から継続して参加してくれた方が何名もいたのが、とても心強かった。

ASCII.jp大谷:日本全体ではエンジニアのコミュニティ参加率が10人に1人という統計もあるのですが、ジェフさんはコミュニティに参加するメリットをどう捉えていますか?

バー氏:コミュニティのメリットはいくつもある。たとえば、同じ興味を持つ人と活動できるということだ。実際、同じ興味を持つ人と勉強した方が、学習効果が高いという統計もある。AWSのサービスに関しても、そのメリットや活用を一番早く理解できるだろう。

ASCII.jp大谷:グローバルのユーザーグループの現状を教えてください

バー氏:世界中どこを見ても、コミュニティの規模や活動内容はだいたい同じだ。15名~150名程度の規模で、勉強会やソーシャル活動をやっている。とはいえ、都市の方が人口密度が高まるので、概して大都市の方が質の高いユーザーグループが構成される。

もちろん車で2時間くらいかけて行くようなカントリーサイドにもコミュニティはある。しかし、人を集め、勢いを維持するためには、有名なスピーカーやイベントをしかけないならない。

ASCII.jp大谷:そもそもAWSとコミュニティの関係をどう捉えていますか?

バー氏:ユーザーグループを継続的に行なうには、やはりユーザーグループが主体で運用すること。もちろんわれわれもアイデア提供やノベルティ、スピーカーの手配などはするが、基本はユーザーグループが独立運営になるので、財政的な支援はしていない。

たとえば米国のある街では、クラウドのユーザーグループ、Windowsユーザーのユーザーグループ、PHPのユーザーグループなどがあり、それらに全部に所属している人がいる。もちろん、イベントには毎回参加するコミュニティ好きだ。そういった人たちは、われわれのエネルギー源でもあり、資産でもあり、会社は違えどエバンジェリストでもある。

JAWSを工場で生産できたらうれしい

ASCII.jp大谷:ジェフさんから見て日本のJAWS-UGはどうですか?

バー氏:世界でもっとも優秀なユーザーグループだ。非常に熱心に講演を聞いてくれるし、学習意欲も高い。しかも知識やナレッジを幅広く共有してくれる。もしユーザーグループを生産できる工場があり、JAWSのようなグループを世界中で立ち上げられたら、私たちとしてはとてもうれしい(笑)。

ASCII.jp大谷:日本のコミュニティで独自というものはありますか?

バー氏:国内のJAWSのリーダーたちを集めた「JAWS Summit」というイベントをやっているが、あれは日本独自のものだ。あと、日本のJAWS-UGはイベントのときだけではなく、日々の交流が豊かだ。いろんなフォーラムをやったり、つねに情報交換している。私のTwitterの返事もすぐ来る。毎回来日するたびに、歓迎されているなあと感じるよ。

「毎回来日するたびに、歓迎されているなあと感じるよ」

参加型のLTが多いのもユニークだ。どんなものを作ったか、どんなことを学んだだか、どんなことをやりたいという講演を積極的にやっているね。

ASCII.jp大谷:JAWSに関しては、技術者以外の人たちが参加しているのも大きいと思います。

バー氏:そこもユニークなところだ。米国はやはり技術者が主体で、ビジネス系の人は少ない。

ASCII.jp大谷:クラウドの普及により、今後はエンジニアだけではなく、ビジネスに近い人も対象になって来ますね。こうした中、ジェフさんのチャレンジを教えてください。

バー氏:私が文章を書く時は、対象の読者を考えながら、書き方を変えている。ブログの読者ともつながりができているので、次はあの人に向けて書いてみようと思う投稿も多い。つまり、明確な人物像を描いて書いているんだ。今後、新しい人たちが入ってきても、クラウドが曖昧模糊としないよう、正しく伝わるようにしなければならないと思っている。

あと、ブログと物語を組み合わせた、ストーリー性のあるテクニカルフィクションのようなものをやりたいと考えている。連載して、物語が次々続くようなものだ。re:inventが終わったあたりからスタートしようと思っている。

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