Microsoft OutlookがOutlook Expressを吸収しつつ拡大中
1位Gmailと2位MSOutlookで6割! メーラーシェア早わかり
2014年10月06日 09時00分更新
GmailとMicrosoftOutlookの二強状態
ここからは、日本でのビジネスシーンにおけるメールの利用状況について見ていこう。日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール実態調査2014」によると、仕事上で周囲とコミュニケーションをとる主な手段は「メール」(98.45%)が最も多く、「電話」(91.98%)、「会う」(89.87%)と続く。4位の「ファクス」(28.76%)とは差が開いており、上位3つが主な連絡手段であることがわかる。
ビジネスメールの送受信に使っている主なメールソフト | ||
---|---|---|
順位 | メーラー | シェア |
1 | Gmail(Google Apps含む) | 33.61% |
2 | Microsoft Outlook | 30.31% |
3 | Thunderbird | 13.50% |
4 | Windows Live メール | 10.62% |
5 | Outlook Express | 8.65% |
6 | Lotus Notes | 6.61% |
7 | Becky! Internet Mail | 5.84% |
8 | Mail(Mac OS) | 4.92% |
9 | Yahoo!メール | 4.78% |
10 | Outlook.com | 2.32% |
11 | サイボウズメールワイズ | 2.25% |
12 | Shuriken | 1.62% |
13 | 秀丸メール | 0.70% |
14 | EdMax | 0.70% |
15 | nPOP | 0.49% |
16 | AL-Mail | 0.35% |
17 | Sylpheed | 0.28% |
18 | Opera Mail | 0.07% |
19 | その他 | 9.14% |
20 | わからない | 1.41% |
複数回答可。ビジネスメール実態調査2014(日本ビジネスメール協会調べ)より抜粋
「Facebook」(22.93%)や「LINE」(12.03%)、「Skype」(9.35%)や「Twitter」(2.74%)などのソーシャルメディアも一部のビジネスシーンでは活用されており、特に実名制のFacebookは上位から5番目にランクインしており、ビジネスコミュニケーション手段として定着しているようだ。
ここ5年間の使い方を見てみると、「メール」「電話」「会う」の上位3つは、2010年からの5年間を見てもほぼ変わらない。一方、FacebookやLINEなどのソーシャルメディアの利用率は増加傾向にある。たとえばFacebookは2011年に16.17%だったが、それ以後25.16%、20.01%、22.93%とビジネスに利用される率が高めとなっている。LINEは2013年には5.82%だったが、2014年には12.03%と倍以上に急増している。
メーラーシェアについて見てみると、1位がGmail(GoogleApps含む)で33.61%、2位はOutlookの30.31%と二強状態となっている。続いて、Thunderbirdが13.50%、WindowsLIVEメールが10.62%、OutlookExpressが8.65%などとなっている。
2011年のデータを見ると、1位がGmail(GoogleApps含む)で35.49%、2位がOutlookで24.92%、3位はOutlookExpressで23.20%、続いてThunderbirdが12.87%、Becky!InternetMailが9.18%、WindowsLIVEmailが8.36%などとなっている。
全体に、プリインストールされているOutlook系の強さと、環境を問わずに無料で利用できるWebメール、特にGmailの強さが光っている。
ビジネスメールの送受信に使っている主なメールソフト2011~2014 | ||||
---|---|---|---|---|
メーラー | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 |
Gmail(Google Apps含む) | 33.61% | 29.43% | 35.49% | 33.01% |
Microsoft Outlook | 30.31% | 28.06% | 24.92% | 22.85% |
Thunderbird | 13.50% | 14.13% | 12.87% | 11.81% |
Windows Live メール | 10.62% | 8.57% | 8.36% | 6.97% |
Outlook Express | 8.65% | 12.75% | 23.20% | 26.72% |
複数回答可。ビジネスメール実態調査2011~2014より抜粋
米国ではモバイル端末利用が顕著
米EmailClientMarketShareによると、2014年8月時点での米国のメール・クライアント市場率は以下のようになっている(調査方法が異なるので注意)。
1位はAppleiPhoneの26%、2位はGmailが15%、3位にAppleiPadが13%、以降Outlookが11%、AppleMailが7%、GoogleAndroidが6%、Outlook.comが5%、Yahoo!Mailが5%などとなっている。
米国でもGmailやOutlookは強さを見せるが、それよりも目立つのはモバイル端末からの利用が増えていることだろう。
Outlookなど、プリインストールされているメーラーはやはり強い。しかし、全体には利用端末を選ばないGmailなどのメーラーが支持を集める傾向にある。モバイルからの利用が圧倒的に増えている今、環境や端末を選ばずに利用できることがメーラーの必須条件となるのかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)の他、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki
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