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「1試合4000万件」のデータ解析を支援、選手/チーム強化の環境作り

W杯ドイツチームもビッグデータで強化!SAPがスポーツ市場参入

2014年07月11日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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“未来予測”も!? データスタジアムの次世代サービスを支援

 SAPジャパンでは今回、日本のスポーツ・ビッグデータ市場における最初の取り組みとして、スポーツデータの解析/配信を手がけるデータスタジアムのイノベーションパートナーとして、同社の研究開発を支援すると発表している。同社が開発を進めるサッカー/野球向け次世代サービスの基盤として、「SAP Cloud powered by SAP HANA」を提供する。

 データスタジアムでは、サッカーや野球のプロチーム向けのスポーツデータ分析ソリューションのほか、スポーツ中継番組にもさまざまな選手/チームの統計分析データを提供している。「国内ではほぼ当社が(スポーツ中継への)データ提供を担っている」(データスタジアム取締役の松元繁氏)。

データスタジアム取締役の松元繁氏

 松元氏は、トラッキングカメラやセンサーを通じてスポーツの膨大なデータが取得できるようになり、事前分析ではなくリアルタイム分析の可能性が広がりつつある一方で、「オンディスクのデータからの分析には限界があった」と述べた。「HANAを組み合わせることで、次世代サービスの開発を目指していく」(同氏)。

 同社が開発するサッカー向け次世代サービスでは、リアルタイムにトラッキングした選手やボールの動きに独自の指標を掛け合わせた「リアルタイムプレー予測」の実現を目指している。また野球向け次世代サービスでは、進行中の試合状況と選手の過去のプレーデータを組み合わせ、得失点確率を算出するなどの「リアルタイム戦略サポート」を実現するという。

サッカー向け次世代サービスのイメージ。試合内容をリアルタイムに分析するだけでなく、膨大なデータ蓄積から“プレーの未来予測”も目指す

 馬場氏は、SAPジャパンがスポーツ・ビッグデータ市場に取り組む理由として、データドリブンな手法を通じて日本のスポーツ強化に貢献していくだけでなく、ファンサービスやエンタテインメント性も含めたスポーツビジネスの活性化、さらにはスポーツから生まれる“シンプリフィケーション”が他業界のビジネスに好影響を与える可能性を語った。

SAPジャパンがスポーツ市場に取り組む理由。

 SAPジャパンでは、まずはサッカーと野球のプロリーグ、ナショナルチームを対象としてビジネスを展開していく方針だ。ただし現時点では、スポーツ・ビッグデータ市場における売上目標などは定めていないと、馬場氏は説明した。もちろん将来的にはビジネスとしての確立を目指すが、「当面はビジネスの規模にとらわれず、徹底的にスポーツ産業にとって良いことをやっていこうと考えている」(馬場氏)。

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