格段に広がった検索範囲にも注目
検索範囲が格段に広がったことにも注目だ。NSMetadataQueryを利用したメタデータの検索は、新しい「Document Picker」の機能により、実行したアプリのコンテナ内だけでなく(許可されている場合は)他アプリのコンテナも範囲とすることが可能になった。サンドボックスの枠を超えた文書検索が可能になるわけで、従来のアプリ内で"閉じられた"検索機能の大幅な強化が期待できる。ここでは詳しく説明しないが、ImportやOpenなどのモードを用意することにより、安全なファイルアクセスも実現している。
CloudKitの具体的な活用方法だが、「Keynote」「Pages」などデスクトップ/モバイルの別なく編集されるオフィス系アプリはもちろん、サムネイルのサポートにより写真管理/画像編集アプリにも力を発揮するはず。Document Pickerにより強化された検索性からすると、名刺管理にも役立ちそうだ。最大10倍の描画パフォーマンスを実現する「Metal」、家電をマネジメントする「HomeKit」に比べれば地味に映るかもしれないが、すぐにでもユーザが必要とするのは一見地味なCloudKitの機能ではないだろうか。秋以降に登場するはずのサードパーティー製CloudKit対応アプリに注目したい。
この連載の記事
-
第187回
iPhone
NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの -
第186回
iPhone
Appleと「4K HDR」 - iOS 11で写真/動画を変える「HEIF」と「HEVC」 -
第185回
iPhone
iPhone 7搭載の「A10 Fusion」「W1」は何を変えるか -
第184回
iPhone
オープンソース化された「PowerShell」をMacで使う -
第183回
iPhone
アップル製デバイス連携の鍵、「Continuity」とは? -
第182回
iPhone
DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2) -
第181回
iPhone
WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1) -
第180回
iPhone
WWDC直前、買い替え前にマイMacのココをチェック -
第179回
iPhone
私がiTunesを使わなくなった5つの理由 -
第178回
iPhone
今あえてiPhone「Live Photos」を知る -
第177回
iPhone
「Windows Subsystem for Linux」はOS Xのライバルとなるか? - この連載の一覧へ