「CloudKit」に秘められた可能性
CloudKitを簡潔に説明すると、モバイル対応のBaaS(mBaaS、mobile Backend as a Service)ということになるだろうか。AppleはiCloud上にファイル保管領域(アセットストレージ)とデータベースストレージ、認証機能と検索ツール、通知機能を用意し、それらをアプリから利用するためのAPIを提供する。iCloudデーモンが全面的に書き換えられたこと、Windowsがサポートされたことも特筆すべきポイントだ。
ストレージはアプリ単位で提供され、利用開始時点でアセットに5GB、データベースに50MBが割り当てられ、1ユーザごとにアセットが100MBとデータベースが1MB追加される(関連リンク)。無料の上限はアセットが1PB(!)にデータベースが10TBと、よほど多くのユーザを抱えるアプリでもないかぎり課金の心配は必要ない。転送幅も利用開始時点でアセットが25MB/日にデータベースが250KB/日、ストレージ容量と同様にユーザ数に応じて増えるため、アプリが人気化したはいいが遅くて使い物にならない、ということにはならなそうだ。
ストレージの利用だけではない。メタデータが拡張され、最大1024×1024ピクセルのサムネイルを付加できるほか、QuickLookで取り出せるようNSDictionaryに「NSURLThumbnailDictionaryKey」が追加された。
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